CBDスイーツやCBDワインもフランスに登場 新たな健康素材として注目
大麻草などに含まれる成分CBD(カンナビジオール)が新たな健康素材として注目を集めている。CBDは有機化合物カンナビノイドの1つだが、中毒性や向精神効果はなく、鎮痛やリラックス効果が期待されている合法の成分だ。フランス国内では近年CBD専門店が急増しており、さらに一般の飲食店やスーパーマーケットでもこの新素材を取り入れた商品の販売を始めている。
有名パティスリー発案CBDスイーツ
CBD専門店では舌下投与するためにスポイト瓶に入ったCBDオイルや、電子たばこ用のCBDリキッドなどが多く販売されている。しかし、幅広い客層に向けて手軽に手に取ることができるCBD入りの食品を開発する企業や店舗も増えているようだ。
フランスを代表する巨匠パティシエであるフィリップ・コンティチーニは、昨年末に100%オーガニックの欧州産ヘンプ(麻)を使用したCBDケーキ「Cirrus」を発表し、話題となった。
ホワイトチョコレートに包まれたレモンやユズなどの柑橘類とともにCBDの風味を感じるこの商品について、「癒しの効果があるとされる麻由来の合法成分CBDがもつハーブのような香りとほのかな苦味に魅力的を感じ、使用してみたいと考えた」と語っている。
その他、パリ市内では各レストランやバーでCBD入りのカクテルやアイスクリーム、ピザなども販売されている。
CBD入りワインなどアルコール飲料にも
また、フランスで初のCBD飲料として注目を集めたのがフランス人が最も好むアルコールであるワインだ。
ブルゴーニュと並んでフランスを代表する2大ワイン醸造地の1つボルドーで誕生したCBD入りのワイン飲料「Burdi W」は、高品質な地元産ブドウ「プチヴェルド」のワインにCBDを組み合わせたもの。各ボトルには250mgのCBDが含まれており、価格は1本35ユーロ(約4500円)。発売と同時に3000本発注され、その後さらに5万本を用意、と報道された。
大手スーパーではハーブティーやガム
大手スーパーマーケットMonoprixも複数のCBD商品の製造メーカーと提携し、250を超える店舗でCBD商品の販売をスタートした。
食品売場ではCBD入りのハーブティーやキャンデー、チューインガム、日用品コーナーではCBDオイルやCBD入りの化粧品などが並んでいる。合わせて、CBDと関連したヘンプも植物性のタンパク質、ミネラル、ビタミンを含むスーパーフードとして注目を集めつつあり、MONOPRIXではヘンプ入りのグラノーラなどが陳列されている。
オイルやリキッドだけでなく、身近な食品としてもCBD商品が増えることで、今後さらに注目度が高まるだろう。(在フランス管理栄養士ライター 高城紗織)