フランス人にも人気の「ジブリ飯」 ポップカルチャー×食の相乗効果は海外でも

7月に行われた東京オリンピック開会式で、日本のゲーム音楽やマンガなどのポップカルチャーを取り入れた演出が話題となったように、日本のマンガやアニメ、ゲームなどは海外でも大人気だ。フランス・パリの街中でも日本アニメのキャラクターを見かけることは少なくない。

日本アニメがテーマのレシピ本

フランスは世界の中でも早くから日本のアニメが紹介をした国であり、日本のポップカルチャー人気が高い。日本食ブームもあって、パリの書店にはフランス語の日本食レシピ本も多く並んでいる。その中でも、フランスで高い人気のスタジオジブリの映画をテーマとしたレシピ本が注目を集めていた。書籍内では映画のワンシーンと共に日本食を紹介しており、またレシピはフランスでも手に入りやすい食材で作りやすいようにアレンジがされている。

パリの書店に並ぶ、スタジオジブリ映画をテーマにしたフランス語のレシピ本(筆者撮影)

他にも「ドラゴンボール」や「ONE PIECE」の中に出てくる料理とそのレシピを紹介する書籍もあり、売れ行きも好調のようだ。同様に、アニメの食事シーンに出てくる料理を再現した日本人のInstagramアカウントは海外サイトでも紹介されるほどだ。

アニメ・マンガが日本食文化PRにも貢献

日本文化や日本語に興味を持っているフランス人は多い。その中でマンガやアニメが、日本食や日本の食文化の普及に寄与するケースもあるようだ。例えば、「弁当」は「カレーライス」と同様に日本アニメの中で食べるシーンが多くあることから、海外で認知度が高まったとも言われている。

フランスでは「弁当」はフランス語でもそのまま“BENTO”として親しまれている。食をテーマにした作品ではなくても、ストーリーのワンシーンに描かれる日本食は日本食材の認識を広めたり、日本食文化への興味・関心を引いたりと海外の人々に影響を与えているようだ。

(© Ynnis Edition)

参照サイト:
La recette du bento de Mon Voisin Totoro du studio Ghibli  CNEWS

高級アパレルブランドも日本アニメをPRに活用

世界的人気を誇る日本のポップカルチャーの発信力は大きい。それを活用しているのが海外の高級アパレルブランド。近年では「LOEWE(ロエベ)」「Longchamp(ロンシャン)」「GUCCI(グッチ)」などが日本のマンガ・アニメとコラボレーションしていることも話題となっている。日本では「マンガやアニメは子どものためのもの」という考えが根強く残っている印象もあるが、海外高級アパレルはキャラクターやその世界観をモチーフに起用した商品を製作し、新たなブランディングとPRを図っている。

LOEWEの公式サイトより

フランスを含め、海外では日本食ブームの中で、日本人以外のアジア人が日本食レストランを経営しているケースも多く、誤った日本食が提供されていることを危惧する声もある。ポップカルチャーを通じることで、日本食・日本食材の海外需要の促進や海外における日本食・日本食文化の正しく認知への一助となるような食業界へのポジティブな影響に期待したい。(在フランス管理栄養士ライター 高城紗織)

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