食酢・食酢ドリンク特集

食酢・食酢ドリンク特集:19年度食酢生産量 前年少し上回り43万1800kl

調味 2021.04.05 12210号 04面

 全国食酢協会中央会によると、食酢は基礎的な調味料として家庭や外食店などで調理用に使われるほか、さまざまな加工食品の原材料として広範に使用され、用途別の使用割合は、一般家庭向けが25%、外食店などの業務用(寿司、惣菜など)が35%、加工原料用(ソース、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングなど)が40%と推定している。

 農林水産省調べの19年度「食酢の生産実績の推移」(18年4月~19年3月)によると、食酢合計生産量は43万1800kl(前年比0.4%増)で、健康ブームを追い風にこの10年間では16年の43万5600klに継ぐ生産量となった。種類別の生産では、穀類、果実などを原料とする「醸造酢」が生産量の大半(99%以上)を占め、氷酢酸を希釈、調味して製造する「合成酢」の生産は極めて少なく(1%未満)なっている。

 醸造酢の中では、家庭用・業務用に仕向けられる米酢などの「穀物酢」が16万5800kl(前年比1.34%増)、加工原料用に仕向けられることの多い「その他の醸造酢」は23万9500kl(同0.84%増)で、業務用が伸び悩んでいる。また、「果実酢」については、食生活が健康をキーワードに多様化・高度化する中で中長期的には健康志向を背景に増加させたい商品群で、2万5900kl(同7.8%減)と、前年度の7.7%増の裏年ため減少となった。

 食酢の輸出入実績では、輸出では数量・金額ともに過去最高と前年の裏年で、輸出・輸入ともにすべての項目で微減となった。輸出国・地域のトップは三十余年間、数量・金額ともに米国である。輸入国は、イタリアが数量で9年、金額で16年トップとなっている。総務省「家計調査」(2人以上の世帯)による食酢の支出額・購入量では19年の支出額は951円で前年比7.5%減、購入量は2008mlで前年比7.9%減と、年々減少傾向にある。家庭内調理が減少して外食・中食が伸びていることが背景として考えられる。

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