東北地区新春特集2024

◆東北地区新春特集:第57回食品業界新年交礼会 経済活性化へ一層の連携 4年ぶりに製配販集う

特集 総合 2024.01.26 12709号 09面
4年ぶりの交礼会に東北6県、東京から多数出席

4年ぶりの交礼会に東北6県、東京から多数出席

恒例の鏡開きは威勢よく「三春駒」で

恒例の鏡開きは威勢よく「三春駒」で

木下猛統日本食糧新聞社取締役副社長

木下猛統日本食糧新聞社取締役副社長

味の素社・土屋由介東北支社長

味の素社・土屋由介東北支社長

イオン東北・辻雅信代表取締役社長

イオン東北・辻雅信代表取締役社長

みやぎ生活協同組合・尾川輝敏代表理事専務理事

みやぎ生活協同組合・尾川輝敏代表理事専務理事

ヤマザワ・古山利昭代表取締役社長

ヤマザワ・古山利昭代表取締役社長

丸大堀内・堀内剛博代表取締役社長

丸大堀内・堀内剛博代表取締役社長

ボーキ佐藤・佐藤淳代表取締役社長

ボーキ佐藤・佐藤淳代表取締役社長

 ◇激動の世界 どう変わるサプライチェーン

 日本食糧新聞社東北支局主催による第57回東北食品業界新年交礼会が9日、仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで開催された。東北6県、東京本社などからメーカー、商社、卸、小売業153社、292人が出席、4年ぶり開催となった新年交礼会が盛り上がった。広いエリアながら、業界関係者が一堂に会す新年会が東北では開催されておらず、製配販3層が顔を合わせ、東北市場を盛り上げよう杯を交わしていた。また冒頭、能登半島地震で亡くなられた方々の冥福を祈り、黙とうを捧げ、一刻も早い被災の復興を祈念した。(東北支局長=三沢篤)

 主催者を代表して木下猛統日本食糧新聞社取締役副社長は「食品メーカーは新しい価値と需要の創造に攻めの経営を展開している。当社は各支社局の取材網でフォローし、今年もさまざまな分野で有益な情報を提供していく」とあいさつ。続いてメーカー、小売業代表4氏があいさつ。

 鏡開きはメーカー3社(小倉次郎キッコーマン食品東北支社支社長、太田崇ニチレイフーズ東北支社支社長、山本晋司ハウス食品東北支店支店長)、地域卸3社(佐藤淳ボーキ佐藤社長、堀内剛博丸大堀内社長、千坂剛久千坂社長)により、三春酒造の「三春駒」で威勢よく行われた。乾杯の発声は堀内社長、中締めは佐藤社長が、また答礼を三沢篤日本食糧新聞社東北支局長が行い、伝統の新年交礼会は盛況裡に終了した。

 ◇出席者代表あいさつ

 ●物流問題、3層の垣根越えて備えを

 味の素社・土屋由介東北支社長=2017年から3年間、北陸支店に勤務した。能登の各地を訪れ、珠洲のキリコ祭りは3年連続参加した。あの美しいところが被災し、映し出される画面に言葉が出ない。とても辛い年明けとなった。

 世界的には台湾、ロシア、米国のトップを決める選挙があり、われわれの業界もサプライチェーンがどうなるか、影響してくる。東北エリアの足元では物流問題は待ったなしで、垣根を越え、3層が十分備えをしておかなければならない。

 ●イオン東北4年目スーパーC統合へ

 イオン東北・辻雅信代表取締役社長=4年ぶりの開催。56回では、イオンリテール東北支社長としてあいさつした。

 コロナが沈静化し、待っていたのはインフレ、物流問題など。一難去ってまた一難といったところだ。

 もう一つ大きな問題は賃上げだ。物価上昇を賃上げでカバーする構造になっているが、東北を見てみると、一次産業従事者や年金生活者など賃上げに関係してこない方々が多い。小売業はその中で、厳しい戦いを展開することになる。新しい会社を作って4年目。25年3月、イオンスーパーセンターとの統合があり、東北で大きな塊となって飛躍していく。

 ●宅配事業堅調推移子育て支援効果も

 みやぎ生活協同組合・尾川輝敏代表理事専務理事=能登半島地震では、包括協定を結んでいる自治体から支援物資の要請があり対応した。われわれも東日本大震災で、全国から支援をいただいた。日本生協連と支援を行うため、12人を派遣した。事業ではコロナ禍の3年、宅配事業が大きく伸びた。20年度、物流がパンクし、新規加入をストップしなければならない事態が起きた。昨年落ち着いたが、宅配へのニーズは依然高い。物流センターを規模拡大する必要がある。冷凍食品中心に1.5倍程度増強する。店舗事業はどうかと思っていたが、子育て支援の効果が顕著。メンバー、地域に寄り添いながら進んでいく。

 ●元旦休業で従業員“健康元気”を応援

 ヤマザワ・古山利昭代表取締役社長=当社では、二十数年ぶりとなる元旦休業を行った。地域のお客を無視できないのではといった声もあったが、従業員の“健康元気”を応援する企業として休んだ。

 能登半島地震では、13年前の東日本大震災が思い浮かんだ。メーカー、卸の協力で被災者に商品を供給できた。この業界の使命感、志の高さがあったからで、ライフラインの重要な役割を果たし、共有すべきことだ。

 当社においては昨年、子会社サンコー食品のデリカセンターを拡充した。

 今年はさらに新しい商品を開発して、ブラッシュアップを図っていく。

 ●東北経済活性化へ協調強固に乗越え

 丸大堀内・堀内剛博代表取締役社長(乾杯)=4年前この交礼会で、雪のない青森のクリスマスイブの話をした。今年は雪かきがなく楽ではあるが、雪のない正月を迎えた。製配販3層での取り組みを、より強固に協調で行かないとならない。最終的に東北の消費者の方々に多くの商品を購入していただき、経済活性化に結び付いていく。いろいろなことがあり簡単ではないが、乗り切らねばならない。

 ●自動車で読み解く次世代エネルギー

 ボーキ佐藤・佐藤淳代表取締役社長(中締め)=昨年は値上げで始まり、値上げで終わった。世界に目を転じれば、大国トップの選挙など目白押しの年だ。私は車が好きだから、車から世界を読み解いている。ここ2、3年ヒステリックともいえる電気自動車の謳歌(おうか)がある。取り組まないとCO2の削減が進まないということで、水素エネルギーの開発が叫ばれている。水素で電気を作って走らせる、そのような時代が来る。新年を迎え、そのようなことを思ってみた。

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