健康関連食品特集

健康関連食品特集:特定保健用食品(トクホ)=19年は上昇基調か

総合 2019.05.20 11878号 07面

●2.3%減の6432億円(18年度)

日本健康・栄養食品協会によると、18年度の特定保健用食品(トクホ)市場は約2.3%減の6432億円と14年以来で前年を下回った。清涼飲料が20%減となり、17年に2桁増を記録したCVSが反動で12.2%減となった。ただし、依然6000億円を大きく超える高水準を維持し、19年も清涼飲料は今春から大手からの攻勢がみられ、CVSを含めた手売りでの拡大も濃厚。最大市場の乳製品も安定推移が予想されることから、再度上昇基調が見込まれる。

トクホ市場は15年から17年までの3年間、連続して07年に続く史上2番目の市場規模を記録。健康食品の代名詞として高い認知度を誇る同分野だが、スーパー・CVS・ドラッグストアなどの手売り市場に加え、通販分野でも需要を拡大させている。

同市場は1991年に制度が発足。国が健康強調表示を許可・承認する独自の制度として国際的にも注目されている。国内の健康志向の高まりに伴い、市場規模は99年に2000億円を突破すると、01年には倍増となる4000億円に到達。その後はサントリー「黒烏龍茶」などのメガヒット商品が誕生したことやトクホそのものに対する認知度の高まりや支持が拡大したことなどもあり、ピーク時の07年には約6800億円にまで成長した。11年には東日本震災により5000億円強に落ち込んだが、13年からは毎年6000億円台を維持している。

18年は機能性表示食品の品目数が大きく増加し、一部ではカニバリもみられたものの、総じて売場を堅持。特に全体の85%強を占める清涼飲料・乳製品ではトクホは販売サイドでも必須商材に位置付けられ、通年で需要に対応した。

保健用途別の構成比は、最大規模の「整腸」が59%(17年は53.1%)とさらに拡大。15年から増加を続け、13年のピーク時に近い比率に達し、オリゴ糖・食物繊維関連品がともに伸長した。減少はしたが「中性脂肪・体脂肪」(同23.6%)も依然ボリュームゾーンで、両用途は合計で全体の82%強に達する。「コレステロール」「血圧」「骨・ミネラル」が増加、「歯・肌」「血糖値」は減少した。

食品の種類別構成比では乳製品が55.4%(17年比10.7%増)と大きく増加し、清涼飲料水が30.3%(同20%減)と大きく減少。菓子・その他が7.9%(同6.8%増)で、加工食品・調味料は6.4%(同9.4%減)を占める。構成比上のボリュームは少ないが各カテゴリーでは手売り・通販ともに一定の需要を確保している。

販売チャネルは依然、スーパーとCVSで全体の約6割強を占める。最大チャネルのスーパーは18年、微増の2821億円に成長。CVSは17年の反動で2桁減となったが、16年を超える1116億円と依然高い水準を維持している。また、16、17年に大きく減少した戸配が9.5%増の1249億円と増加に転じ、通信販売も依然拡大を継続。ドラッグストア・薬局も17年の減少から回復し、手売り・通販ともに成長分野であることは間違いない。

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