第2回お米未来展2023
◆第2回お米未来展2023:新用途でニーズ追求 健康・簡便性など新需要創造
コメの重要度が増す中、日本食糧新聞社は12~14日、「FABEX東京2023」(会場=東京ビッグサイト)の一翼を成す専門展「第2回お米未来展2023」を開催した。コメ消費減が加速する中にあって、同展では「米消費拡大に向け米産業のイノベーションによる新しい需要創造を目指す」をテーマに、健康や簡便性などニーズ追求型商品や米粉に代表される新たな用途にフォーカス。会場には49社が63小間を形成。FABEXに来場した5万3015人が熱心に情報収集し、商談を行った。(佐藤路登世)
コメ卸最大手、神明のブースでは、プラントベースフードやビーガン、アレルギー対応の観点からも注目を集めるコメ由来植物性チーズ代替品や、玄米や雑穀など穀物への関心の高まりを背景に、“白米と雑穀が配合された雑穀ごはん”として立ち上げた新ブランド「こめからだ」を紹介した。
ミツハシは「タイパ(タイムパフォーマンス)の向上~外食・中食の課題を解決~」を掲げ、コメの一貫メーカーとして精米、炊飯、冷凍、事業開発まで展開する多様性を訴求。新商品ではコメ由来成分「グルコシルセラミド」に着目し、コメ製品初の美肌効果をうたった機能性表示食品の玄米「澄SUMU」を紹介して注目を集めた。
米粉では、波里が料理・菓子・パン用など多様なバリエーションを強みに、用途に応じた粉やミックス粉を提案。「米粉で作る方がおいしい」をキーワードに、料理のプロによる多様なメニューの調理デモ・試食に長蛇の列ができ、同社向かいに出展したみたけ食品工業(ファベックスゾーン)のブースや、製粉機器メーカー西村機械製作所らの米粉パビリオンと併せ、米粉の一大ゾーンを形成した。
ファンケルは、銀座の玄米食レストラン「BROWN RICE MEALS」で提供する玄米パスタやパン、スナック類などを、しゃれたカフェ風にしつらえたブースで紹介。パスタを使った調理デモと試食も好評を得た。
最新技術では、ノボザイムズジャパンが弁当やおにぎり、酢飯など中食に特化した酵素「センシアライス」を紹介。コメのでんぷんに作用して老化を抑え、すでに一部のCVSチェーンで採用され、食品ロス削減に一役買っている。冷凍米飯を自然解凍してもそのままおいしく食べられることから、冷凍寿司の海外ビジネスにも可能性を秘めている。
特別セミナーでは、業界リーダーや研究者、生産者ら多彩な講師陣が最新情報を発信した。また、セミナー会場では日本食糧新聞社による同展開催記念書籍「お米の未来」を販売。この出版記念シンポジウムとして、監修者・大坪研一新潟薬科大学教授の講演とファシリテーターを務めるパネルディスカッションも注目を集めた。