春季新潟食品産業特集

◆春季新潟食品産業特集:難局克服へ独自の提案力を

総合 2020.02.21 12017号 11面

2020年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催が新潟県でも明るい話題の一つに挙げられそうだ。日本の食と酒が世界から注目される大きなチャンスで、「食の新潟」「食品産業王国」をアピールできる場となり、ビッグイベントは歓迎ムード。新潟でも選手団の合宿の地があり、ホストタウンとしてさまざまな交流を通じて新潟の食を世界の選手に味わってもらう機会が創出される。また、6月5~6日の聖火リレー県内縦断など、開催地でなくともさまざまな形で盛り上がってくると予想される。TV観戦などによる内食の拡大や、インバウンド需要への期待も大きい。こうした好機を逃さず、ポストオリ・パラも見据えて、令和の新時代に未来の需要へ結びつけるためには、流通3層で知恵を絞り、逆境を乗り越える総合力が鍵となりそうだ。(山本大介)

●地域密着、総合力で飛躍

新潟県は、毎年2万人超の人口が減少しパイは徐々に縮小しているとはいえ、220万人を超える規模の地方として、独自の文化を持ち内需創造と外需開拓のポテンシャルは高い。「佐渡」や「魚沼」は海外からも認知されるブランド力があり、長岡の花火大会では100万人を超える観光客が訪れ、清酒離れのなか「にいがた酒の陣」を開催すれば2日間で14万人を超える来場者数となる。こうした新潟のブランド力やイベントを通じた新潟の魅力を発信する機会は多く、県外・海外からの誘引力は抜群だ。

県内の主要製造業のうち、食品産業が第1位の出荷額を誇り基幹産業。特に、もち・米菓・水産練り製品は全国1位の出荷額(2016年度経済センサス)で、清酒は全国3位ながら酒蔵数は日本一。このほか、ビスケットや漬物といった産業も上位となる。加えて、絶好調の包装米飯市場はさらに需要が拡大中だ。

一方、厳しい話題も多い。19年は大地震や大雨で一部被害が出たほか、猛暑による高温障害でコメの品質低下にも見舞われた。さらに昨年末から今年にかけて、多すぎれば厄介者の「雪」が不足し、“災害級”となるほど新潟の経済に影響。雪不足は、今後の農業への水不足にもつながるため、注視が必要だ。百貨店の大和が長岡市や新潟市から撤退したのは記憶に新しいが、新潟市の中心地で繁華街の古町に位置する新潟三越も今年3月に閉店するなど、街の空洞化現象も加速しそう。2~3店舗を展開していた食品スーパーが相次いで倒産するなど、買い物弱者が生まれるエリアも山間地にとどまらず増えてきている。逆に、限られた市場に県外ドラッグストア(DgS)やディスカウントストア(DS)の進出で、店舗過多傾向は進み競争が激化。人口減少の中で店舗過多や気候要因リスクなど、対応課題は山積みでもある。

こうした厳しい環境の中で、地元小売業では価格だけではない品質・提案重視型の経営に舵を切り、店舗改装や新規出店、惣菜やオリジナル商品の強化など独自性を打ち出す。頑張る地元メーカーも新潟のブランド力を前面に、全国や世界を見据えた取り組みに力を注ぐ。地域に密着しながら、独自の提案力で難局を乗り切り、食品産業王国としてさらなる飛躍が期待される。

本特集では、小売業の動向から新潟の現状を探り、12~13面でイオンリテール北陸信越カンパニーの今後の成長戦略、片山商事の健康生活を応援する取り組み、新潟伊勢丹による地元名産品発掘プロジェクト「NIIGATA越品」ブランドの展開など、小売各社の独自性を紹介。14面では、県内で頑張る企業・食品産業界のトピックスをまとめた。

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