ガム・キャンデー特集

菓子 2020.10.30
ガム・キャンデー特集

 ガム、キャンデー市場は、コロナ禍に伴う在宅勤務の増加や学校休校などの影響を受け厳しい状況にある。在宅勤務で口臭ケアやリフレッシュなどの価値を提供するガム・キャンデーは、コロナ禍での、人と人の接触の減少で、需要が大幅に落ち込んだ。また、在宅勤務の増加と学校休校で、オフィス街や駅構内のコンビニエンスストア、駅売店など主要販路での利用の大幅な減少が影響。さらに、在宅時間の増加で、従来ライバルではなかった、嗜好(しこう)飲料、他のカテゴリーの菓子、食品などと「家庭で過ごす時間」という共通の土台で戦うことになり、持ち運びができて、場所と時間を選ばず「リフレッシュ」できるというカテゴリーの強みが発揮できなかった。
 一方、新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見えない中、年間を通じてマスクを着用する可能性が出てくる中、マスク着用時の「口腔(こうくう)内のさまざまな問題」にガム・キャンデーがどのような役割を果たすかという新たなニーズも見えてきた。また、九州大学などの研究で、歯周病菌が体内に侵入し、認知症の原因物質が脳に蓄積し記憶障害が起きるメカニズムを解明するなど、口腔内の健康に関する関心は高まりを見せている。かむことによるさまざまな健康効果も知られてきた。
 ガム・キャンデーとも、一定の時間、口中にとどまるという多くの食品の中でも、珍しい特性がある。その特性をどのように生かすかが市場復活の鍵とみられる。 (青柳英明)