米菓特集

菓子 2021.03.03
米菓特集

 2020年(1~12月)の米菓市場は、生産金額ベースで2900億円弱の前年比微増で着地したとみられる。食品需給研究センター調べの生産量は、あられが前年を上回り、せんべいが前年割れとなりトータル1.1%減だったが、民間調査会社のデータでは、小売金額ベースで3%ほど上回った。
 各社取材したところ、土産や百貨店、コンビニエンスストア(CVS)は苦戦したが、食品スーパー(SM)・ドラッグストア(DgS)は大幅増加の傾向が見られ、チャネルごとのデータで差が見られる。また、商品アイテムの絞り込みによる生産集中や販促減少で、生産量と小売金額にかい離が見られたようだ。
 カテゴリーでは、特に外出自粛で家飲み・宅飲みによるつまみ需要が増加しており、柿の種や小袋アソート商品が好調。また、つまみだけでなく、おやつにも小腹満たしにも活用され、多様な使われ方でその価値が見直された。迎えた21年は、ニューノーマルといわれる新常態の環境が続き、つまみニーズは継続しそうだ。定番・ロングセラー商品の引き合いも強い一方で、大型の新商品は今春見られない。ただ長年、米菓業界の課題だった若年層へのアプローチは、各社で新しい切り口に挑戦する姿勢が見られ、長い目で見れば21年がターニングポイントの年となる可能性が出てきた。(山本大介)