東北卸流通の力 リーダーに聞く

卸・商社 2021.10.06

 昨年は、コロナ禍での消費の動きに食品流通業界は振り回された。棚からなくなる商品も見受けられ、メーカーからの商品配荷に、3層による一定のルールが必要なのでは–と強く認識させられた。異常が日常となり、特需もあったが今年はほぼ通常の生活に戻っている。東北の人口減少と高齢化は地域経済に影を落とし、卸売業は事業領域の拡大を経営課題ととらえ、模索が始まっている。「これまでの卸としてのなりわいで7割、3割は他の商いで」(佐藤和宏国分東北社長)という考えだ。協業化も求められ、物流分野で共同での取組みは、かけ声で終わらない実効性が問われている。小売業は昨年のような数字は望めず、通期予想は厳しい。コロナ収束後の業界再編にも、関心が集まる。値上げへの対応も待ってくれない。物流2024問題、最低賃金上昇など利益圧迫要因は目白押し。今秋からの東北食品流通業界は山積する課題への向き合い方が問われてくる。リーダー6人が語ってくれた。(東北支局長=三沢篤)