菓子秋需戦略特集

菓子 2022.11.09
菓子秋需戦略特集

 気象庁が発表した2022年夏(6~8月)の平均気温は東・西日本で高くなり、西日本では1946年の統計開始以降、1位タイの高温を記録した。また、9月以降も残暑が続き、厳しい需要期のスタートとなった。さらに、原材料価格高騰やエネルギー価格、物流費上昇に伴い、メーカー各社は、価格改定を実施。大手菓子卸によると22年の年間で約6000品にもおよぶ価格改定の経験はこれまで菓子業界にはなかったため先行きへの不安が業界を覆った。
 値上げ後の状況は、新しい価格は売場に浸透し平均単価は上昇傾向となり、これまでいくつかのメーカーが単独で挑戦し、売場から排除されるという事態は当然発生しなかった。
 一方、店頭販売データによる価格改定商品の動向は、カテゴリー、アイテム、メーカーにより差はあるものの、前年比で10~30%減と厳しい状況となった。ただ、この苦戦要因が、値上げによるものか、前述の記録的な猛暑の影響かは分析が難しい。メーカーにとって1丁目1番地の主力ブランドの価格改定後の販売状況が想定よりも下振れしたことは業界に衝撃を与えた。(青柳英明)