コーヒーのアルミカップは自転車に再利用 オランダ外食展示会レポート
前回に続きオランダの外食産業展示会「HORECAVA 2020」についてレポートを送りたい。前回はスーパーでの賞味期限切れ商品を回収しての再利用のアイデアや、「エコの観点」から見るハーブ栽培棚とプランターの貸し出し企業を紹介した。今回は「エコ」や「ダイエット」に焦点を当てた。
ネスプレッソのリサイクル
前回のコラムはこちら
イノベーションを続ける農業大国オランダ 2020年の外食トレンドは食品ロス
安定したおいしいコーヒーを毎回1杯ごとに入れられるネスレのネスプレッソ。小さなアルミカップに1回分のコーヒーが入っているので、いつでもひきたてのコーヒーが飲める。日本にもファンは多いと思う。
だが1杯ごとに出るコーヒー豆かすとアルミカップの廃棄物は、ちゅうちょしがちなポイントでもあるのではなかろうか? ネスレによる地球にやさしい解決策をご紹介しよう。
ネスプレッソで使うアルミカップにはコーヒー豆が入っている。コーヒーを作った後で、所定の袋に返却すればリサイクルに出してくれるそうだ。回収したアルミカップをコーヒー豆のかすとアルミに分別する。豆のかすは腐葉土などになり植物を植えられる。
使用済のアルミカップは、再度加工されて自転車などのアルミ製品へと生まれ変わる。アルミカップの回収率は増えているらしく昨年度は全体の5分の1が再利用され、今後も回収率を増加させたいそうだ。
ダイエット中でも外食を楽しめるアプリ
ダイエットや病気などで食事制限がある人の外食が難しいのは万国共通。おいしいものは食べたいけれど、いろいろ条件が整わなければ楽しめないのではちょっと悲しい。イギリスやオーストラリアや南アフリカなどでは始まっている、食事制限のある人たちへの食事提供に目を向けたのがLOW CARB。
まだ、出来たてホヤホヤの会社でサイトもないそうだが、業務内容はわかりやすい。提供するアプリをダウンロードして、食事制限対応のレストランを探せるそうだ。これなら、みんなと楽しく食事ができる可能性がある。
ビーガンをはじめとする、ストイックなダイエッターが多いオランダで、今後のアプリの普及と活用が注目される。
エコな埋め込み型貯蔵庫
レストラン業界において、冷蔵庫はなくてはならないアイテムの一つ。しかし大型冷蔵庫はコストもかかれば維持に場所もエネルギーも使う。そこで考え出されたのが埋め込み型貯蔵庫だ。
既存の建築物や都市部では難しいかもしれないが、地方やこれからレストランやホテルを建築予定なら、最初から組み込めば地下室兼貯蔵庫として使える。
野菜や果物、飲料の貯蔵にエコで便利だ。中は2人入れるくらいだが、備え付けの棚があるおかげで収納量はかなりある。土地の有効利用やエコの観点からも、日本でも利用価値のありそうなシステムだ。(オランダ在住フードコンサルタント 白神三津恵)