からし特集
からし特集:家庭用=洋風マスタード、粉からしが回復へ 和からしは落ち着き
家庭用からし(チューブタイプ、マスタード含む)トータルの今年8月までの1年間の動向は前年比1.7%減となった。昨年に続き市場は減少しているが減少幅は縮小した。練りからしは前年比1.6%減。マスタード類は前年比2.3%減となった。粉からしは市場の縮小が続いていたが、直近1年間は前年並みを維持した。8月までの半年間でそれぞれのジャンルを見ると全体は同1.7%減。練りからしが同2.7%減、マスタードは同1.0%減、粉からしは2.0%上昇した。8月までの3ヵ月では全体で同0.8%減、練りからしが同3.0%減、マスタードが同1.9%増、粉からしが同3.5%増となった。マスタードや粉からしを中心に、今年度に入り回復傾向が鮮明となりつつある。
練りからしをみると、廉価品や高級品が伸び悩み、「本生」や「特選」といった主力品や徳用サイズが前年を上回って推移している。これまで全体として減少基調が続いたからし市場だが、今年度に入り緩やかではあるものの回復傾向が見えつつある。
エスビー食品の今上期をみると、からしトータルで市場の状況と同じく前年を下回る形となった。しかし今年4月からの半年をみると、練りからしの「本生」や徳用サイズが前年を上回って推移し、マスタードの「マイユ」もプラスに転じている。エスビー食品の練りスパイス類全体は3月までの1年間で前年比3.0%増と好調に推移した。ハウス食品の練りスパイス類は3月までの1年間で前年比1.8%増と前年を上回った。練りスパイス類はショウガやニンニクなどの生鮮代替需要の増加に伴い、市場は拡大傾向にある。
エスビー食品は例年同様に今年も8回目となる「マイユ料理コンクール2019」を開催した。マイユブランド商品を使用したプロの料理人によるコンクールを継続的に行うことで、「マイユ」ブランドの確かな味わいをさらに伝えていく。
練りからし市場はエスビー食品、ハウス食品の2社で7割強を占めている。からし(マスタードを除く)はエスビー食品とハウス食品が市場をけん引し、ほかにはPBなどが散見される程度。主力はチューブなどの練りタイプで、粉タイプは首都圏では量販店でエスビーの缶入りの品揃えが主流で袋入りは一部店舗で販売されている。また高価格帯では国産の粉タイプも見られる。近年は徳用サイズが数字を伸ばしている。直近1年間(18年10月~19年9月)までのKSP-POSデータをみると、3位までは昨年同様の商品が並ぶ。4位にはエスビー食品の「本生 和からし」が前年の5位からランクアップした。「マイユ 種入りマスタード」は前年の4位から5位にダウンした。また10位に前年の11位からエスビー食品の「お徳用ねりからし」がランクインした。
洋風マスタードは、最近の市場は若干の縮小傾向が続いたが、今年に入り回復傾向となりつつある。「マイユ」の扱いを始めたエスビー食品がこの分野で6割強のシェアを獲得し、トップを維持している。またキユーピーの家庭用は堅調に推移している。「ディジョンマスタード」は業務用を含めて、市場に浸透しつつあり欧州などでは一般的な「ディジョンマスタード」が日本の国内市場でも着実に根付きつつある。また洋風マスタードではオーガニック製品が市場に根付きつつある。日本ハムは自社ブランド(「シャウエッセンマスタード」)でハム・ソーセージ売場など関連販売を主体に展開。「マイルド」(40g)や「ホット」(同)でマスタード市場の一角を担っている。
家庭用からし市場は、和からし類が堅調に推移し、「マイユ」などの洋風マスタード類が市場拡大に貢献してきた。一昨年から昨年にかけては洋風マスタード市場も縮小傾向となったが、今年に入り回復基調となっている。今年8月からはハウス食品が好調な大容量タイプで「つぶ入りマスタード 大容量」の発売を開始したことで、洋風マスタード市場は今後、成長が期待できる。(高木義徳)
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