紅茶特集

飲料 2020.09.23

 家庭用紅茶市場に今年も追い風が吹いている。コロナ禍による家庭内需要拡大を背景に、上期も伸長を継続している。最需要期となる秋冬は、各社とも「健康・美容」訴求や「ひと手間・こだわり」を軸にした提案が目立つ。「紅茶ポリフェノール」訴求やカフェインレス製品のラインアップを拡充する三井農林、「ヘルシーティー」という新たな紅茶の楽しみ方を提案するユニリーバ・ジャパン、「ハーブティー」を強化するトワイニング・ジャパンなど、紅茶の新たな魅力や楽しみ方の可能性を追求し、最需要期でのさらなる成長を目指す。三井農林によると「家庭内需要の拡大などから、家庭用紅茶市場は金額・数量とも増加傾向にあり、4月をピークに現在は落ち着いているものの、緩やかな伸長を継続している」という。
 ティーバッグがけん引する中で、サブカテゴリーでも軒並み好調が続き、近年、微減が続いたリーフ茶やニッチなハーブ茶なども伸長が目立つのが今上期の特徴となる。家庭内で過ごす時間の拡大から、じっくり紅茶と向き合うユーザーが増え、紅茶への感度も高まっているといえるだろう。この傾向は世界の紅茶の家庭用市場も同様であり、今後も堅調に推移すると予測されている。コロナ禍の影響を受けた業務用市場は苦戦を続けるが、家庭用市場の好調を下期も継続し、「紅茶」が持つ可能性をさらに高めていきたい。(本吉卓也)