全国小売流通特集
社会・経済活動は、新型コロナウイルスの感染リスクと依然として背中合わせにある。ワクチンの接種は医療従事者4万人が先行して2月17日から始まり、5月以降は全国の高齢者に、7月末には必要とされる2回目の接種を希望する高齢者が終えられるように進められているが、1年延期となった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開幕に先立つ7月12日、開催都市・東京に8月22日までの4度目となる緊急事態宣言を発令、7月23日から8月8日が会期のオリンピック競技大会は同宣言下、無観客で開催、同宣言の措置によって飲食店での酒類提供も一律停止となった。
感染拡大を抑え込めず度重なり発令される緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は、国民・生活者に不要不急の外出や大人数での会食や観光・帰省などの行動や移動の抑制を求め、感染リスク軽減のため広がるテレワークは在宅勤務者の増加をもたらし生活圏の昼間世帯人数の構成を変えるなど小売業の事業環境を大きく変えた。感染防止のため現金に触れたがらない生活者の増加は、キャッシュレス決済を定着させた。来店客が過密になるリスクを回避する行動はネットスーパーの利用を促進する。
今後の事業環境は、ワクチン接種の拡大に伴う感染の抑え込みや待望される沈静化によって大きく変わることになろう。小売業が見通そうとしているのはデジタルトランスフォーメーション(DX)の進化に託すコロナ後の成長戦略だ。(流通グループ)
-
◆全国小売流通特集:コロナ後の成長戦略、DX進化に託す 事業環境大きく変化
特集 小売 2021.07.31社会・経済活動は、新型コロナウイルスの感染リスクと依然として背中合わせにある。ワクチンの接種は医療従事者4万人が先行して2月17日から始まり、5月以降は全国の高齢者に、7月末には必要とされる2回目の接種を希望する高齢者が終えられるように進められている…続きを読む
-
全国小売流通特集:巻頭インタビュー=オール日本スーパーマーケット協会・田尻一…
特集 小売 2021.07.31◆生鮮の強み生かせ コロナ下に見る消費の実像 昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大は小売業界にとって大きな影響を与えた。在宅勤務や外出自粛による巣ごもり需要、内食需要は消費者の消費行動にも変容をもたらしたといわれる。アフターコロナも視野に入る中で、…続きを読む
-
全国小売流通特集:SM・GMS動向=コロナ後に問われる真価 商品改革・DXが…
特集 小売 2021.07.31コロナ禍の行動制限で食シーンは内食に偏り、食品スーパー(SM)の売上げは大きく伸びた。しかも販促を抑制したことで経費率が改善し、増収率を上回って利益を伸ばした企業が多い。極端な売上げ増には、当然ながら反動減が伴う。1年を経過しても感染の拡大局面が続い…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=北海道 今期、減益予想でスタート
特集 小売 2021.07.31●生活スタイル変化へ対応力を 道内小売業界では昨年から消費者の外出自粛や在宅勤務増加などで内食需要が高まり、カップ麺や缶詰、レトルト食品など保存性の高い商品のほかホットケーキミックスなどの粉物、手づくり関連商品の需要が急増し欠品も相次いだ。消費者の…続きを読む
-
全国小売流通特集:わが社の成長戦略=北雄ラッキー・桐生宇優社長
特集 小売 2021.07.31北雄ラッキーは、今年度「センター機能の再構築」を最重点施策に据える。11月にデリカセンター、来年3月には生鮮センターと段階的に同一敷地内へ集約整備し、生産性向上と商品力強化を目指す。商品戦略では六つのMD(商品施策)をコンセプトに、顧客の食生活を応援…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=東北 残存商圏でシェア争い
特集 小売 2021.07.31●既存店活性化、次のステージに 前年業績がかつてない伸びをみた多くの小売業は、予想通り今年に入って前年には届かず、売上げもさることながら利益が減少している。前2月期売上高が前年比6.9%増、営業利益が同26.3%増だったヨークベニマルの今期第1四半…続きを読む
-
全国小売流通特集:わが社の成長戦略=マルト・安島浩社長
特集 小売 2021.07.31コロナ禍の買い物で特徴的だったのは、マスク、アルコールがあるかないかが来店動機につながったとマルトの安島浩社長。同社はグループでドラッグストアをもっており、CGCの応援もあってマスクを切らすことがなかった。従業員用に1年分確保できていた。「マルトはマ…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=関東 専門店の支持層拡大
特集 小売 2021.07.31食品スーパー(SM)の店舗別マーケティングは、立地する商圏内の顧客ニーズを丸抱えするのが通常のやり方だ。近隣に暮らす生活者の所得レベルはある程度の範囲に収まるかもしれないが、それでも嗜好(しこう)やライフスタイルは異なるため、SMの品揃えや価格帯は幅…続きを読む
-
全国小売流通特集:有力チェーンの動き 大型店、出店ラッシュ
特集 小売 2021.07.31首都圏の有力チェーンは、今年に入って大型店や新たなモデル店の開発が続いている。商品・売場の魅力向上に加え、デジタル技術を導入して新たな利便性・効率性を追求する試みもみられる。取り組むテーマはそれぞれだが、コロナ後を見据えた環境変化に備えるという課題認…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=甲信越 購買行動・人流変化、必至の商圏再構築
特集 小売 2021.07.31甲信エリアの食品マーケットは、人口減少が進む中で業態を超えたオーバーストアが進む。食品スーパー(SM)チェーンは長野のツルヤ、山梨のオギノと両県トップが盤石の基盤でけん引するが、ナショナルチェーンやローカルチェーンのディスカウントストア、出店ラッシュ…続きを読む
-
全国小売流通特集:わが社の成長戦略=アクシアルリテイリング・原和彦社長
特集 小売 2021.07.31アクシアルリテイリングは昨年更新した長期グループビジョン「Enjoy!Axial Session♪」の下、規模・機能・人材の基盤を整備し、チェーンストアのマスメリットを生み出す戦略を加速する。健康軸の商品施策に加えAI(人工知能)型自動発注やネットス…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=東海・北陸 特需後の持続モデルを
特集 小売 2021.07.31●ユニー、個店経営に手応え 北陸のアルビス、名古屋進出 東海地域の主要スーパー4社(バロー、ユニー、マックスバリュ東海、ヤマナカ)の直近の販売状況は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり特需が一巡した印象だ。新型コロナが終息しない中、内食需要は…続きを読む
-
全国小売流通特集:わが社の成長戦略=バローホールディングス・田代正美会長兼社…
特集 小売 2021.07.31バローホールディングスは今夏、Amazonジャパンとプライム会員向け食品配送サービスを愛知県で始める。同社は新たな顧客の獲得と競争力の強化を図っている。11月中旬には、他社GMS(総合スーパー)企業が入居していた名古屋市内のショッピングセンターへ新規…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=近畿 SM堅調も特需効果一巡 ロピアは多店舗展…
特集 小売 2021.07.31●コロナ後企業淘汰進み格差鮮明 20年9月に寝屋川島忠ホームズ店(大阪府寝屋川市)を出店し、関西進出を果たしたロピア(神奈川県川崎市)はその後、同年10月に尼崎島忠ホームズ店(兵庫県尼崎市)、同年11月に鶴見島忠ホームズ店(大阪市鶴見区)、21年4…続きを読む
-
全国小売流通特集:わが社の成長戦略=コノミヤ・芋縄隆史社長
特集 小売 2021.07.31大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、愛知県、岐阜県の広域でチェーン展開するコノミヤは今年、スーパーマーケット事業を開始して50年という節目の年を迎えた。昨年5月にスーパーおくやま(奈良県)を傘下に収め、グループ売上高は1300億円超、店舗数は91店舗と、…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=中四国 生き残りへ再編進む
特集 小売 2021.07.31●中国 SMの新規出店、改装続く 中国エリアの地域経済は、新型コロナウイルス感染症の影響からエリア全体の景況感は持ち直しの動きに足踏み感が見られる状況だ。中国経済産業局のまとめによると、中国地方の百貨店(14店舗)とスーパー(321店舗)全店舗の販…続きを読む
-
全国小売流通特集:わが社の成長戦略=生協ひろしま・横山弘成理事長
特集 小売 2021.07.31広島県内に約40万人の組合員を抱える生活協同組合ひろしま。昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響で宅配事業が高い評価を受け、組合員の新規加入や既存組合員の利用増が続くなど厳しい市場環境の中で業績を伸ばし続けている。6月には横山弘成専務理事が新理事…続きを読む
-
全国小売流通特集:エリア動向=九州・沖縄 消費環境大きく変化
特集 小売 2021.07.31●巣ごもり需要沈静化 客数上昇、まとめ買い減少へ 九州小売業界は新型コロナウイルスによる影響によって、ほぼ2年越しの特殊環境が続いている。昨年はコロナそのもののが未解明で、購買行動も大きく変化した。 特に、昨年4月は学校関係もほぼ休校となり、「巣…続きを読む
-
全国小売流通特集:大手・有力企業の上位集約進む 業態超えた再編も
特集 小売 2021.07.31食品スーパー(SM)を中心に、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大の影響で内食需要の増加による恩恵を受けてきた食品小売は、ワクチン接種が加速すれば、コロナ収束も視野に入る。コロナ後に内食需要が減退し、価格競争が再び強まり、生き残りをかけて業界再編が活発…続きを読む
-
全国小売流通特集:コンビニエンスストア動向=コロナ後見据えた店づくり
特集 小売 2021.07.31◇「ラストワンマイル」も注力 昨年から新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けたコンビニエンスストア(CVS)各社は、コロナ下での新しい売場づくりを模索し、アフターコロナを見据えた準備を本格化させている。売場づくりも立地に応じたきめ細かい品揃…続きを読む
-
全国小売流通特集:ドラッグストア動向=業界全体で売上高8兆円
特集 小売 2021.07.31◇ウエルシアが首位堅持 日本チェーンドラッグストア協会によると、20年度ドラッグストア全体の総売上高は8兆0363億円である。大型店の新規出店でもドラッグストア企業が目立つ状況が続いており、ドラッグストア大型化の流れは継続している。そもそも医薬品売…続きを読む