近畿中四国小売流通特集
2年にわたるコロナ禍で、内食化の動きは続いており、前年の特需の反動があるものの、今期もスーパーマーケット業態は比較的堅調に推移している。ただこの状況は、小売各社の真の実力とは言い難い。少子高齢化や人口減の進行で、市場の縮小傾向は続いている。人手不足や、さらなる競合激化など、小売業を取り巻く環境は以前にも増して厳しくなっている。
コロナ特需で一息ついた企業もあるが、体力のない中小零細企業、先行きの見通しがたたない企業は疲弊しており、ここにきて企業間格差が拡大している。近畿においては、関西スーパーマーケット(関西スーパー)とエイチ・ツー・オー リテイリングの経営統合の発表(8月31日)を受けて、関東を中心に店舗展開するオーケーが関西スーパーの株式を公開買い付けする意向を公表。関西スーパーを巡って争奪戦になっている。また、四国では9月1日に、フジとマックスバリュ西日本の経営統合が発表された。両社は22年3月1日に共同持ち株会社の下、経営統合する。
持ち株会社はイオンの連結子会社となり、統合プロセスを進めたのち24年3月1日には新たな統合会社を設立する。持ち株会社は、フジを会社分割して設立。共同持ち株会社の下にマックスバリュ西日本、新設する事業会社フジが子会社となり、その後両社を統合することになる。市場が大きく縮小する中で、業界再編は避けることができない状況だが、コロナによって再編に向けた動きが早まっている。コロナ後の新生活様式にも対応し、“地域になくてはならない店”として生き残るためには、価格対応だけではない、地域に根ざした、消費者目線での生活全般の提案、売場・商品・食シーン提案、困りごとの解決など独自性を打ち出し、来店動機が明確になる店づくりが不可欠だ。
(関西支社=廣瀬嘉一)
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◆近畿中四国小売流通特集:新生活様式に対応 地域になくてはならない店として
特集 小売 2021.09.282年にわたるコロナ禍で、内食化の動きは続いており、前年の特需の反動があるものの、今期もスーパーマーケット業態は比較的堅調に推移している。ただこの状況は、小売各社の真の実力とは言い難い。少子高齢化や人口減の進行で、市場の縮小傾向は続いている。人手不足や…続きを読む
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特集 小売 2021.09.28◇神戸物産 代表取締役社長 沼田博和氏 神戸物産の「業務スーパー」は兵庫県で1号店を2000年に開店。「毎日がお買い得」をコンセプトに加盟約100社のFC(フランチャイズチェーン)展開で全国出店を進め、今年2月に47都道府県を制覇した。家庭内食の機…続きを読む
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近畿中四国小売流通特集:イズミ・梶原雄一朗氏 地域密着に取り組み存在感を
特集 小売 2021.09.28◇イズミ 専務取締役GMS本部本部長 梶原雄一朗氏 広島を拠点に中国、四国、九州エリアで大型ショッピングセンター「ゆめタウン」やオープンモールの「ゆめモール」、食品スーパー(SM)「ゆめマート」などを展開する西日本を代表するチェーンストアのイズミ。…続きを読む
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特集 小売 2021.09.28◇マックスバリュ西日本 代表取締役社長 平尾健一氏 21年3月マルナカ、山陽マルナカと合併し“新生”マックスバリュ西日本として新たな一歩を踏み出した同社は、中国、四国、兵庫の広範囲で事業を展開し、店舗数は約400店近くに上る。それぞれの地域の顧客の…続きを読む
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近畿中四国小売流通特集:ハローズ・佐藤太志副社長 新中計「2125計画」が始…
特集 小売 2021.09.28◇ハローズ 取締役副社長 佐藤太志氏 中四国・近畿の6県で店舗展開を進めるハローズ。長期ビジョンである瀬戸内商勢圏180店舗3000億円構想の実現に向けて着実に前進を続けている。コロナ禍であっても基本の24時間営業を貫き、少子高齢化や競争激化などの…続きを読む
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近畿中四国小売流通特集:リテールパートナーズ・田中康男社長 より強いローカル…
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近畿中四国小売流通特集:サニーマート・中村彰宏社長 「わざわざ行きたい店」へ
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近畿中四国小売流通特集:サンシャインチェーン本部 川崎博道会長、桑名俊二社長
特集 小売 2021.09.28◇サンシャインチェーン本部 代表取締役会長・川崎博道氏、代表取締役社長・桑名俊二氏 「新業態や新規出店は今まで以上に地域の人口構成や平均所得など基礎的数字をもとに判断すべき。何をしないかを決めることも重要。個性的な企業でないと生き残れない」(川崎会…続きを読む