焼肉のたれ特集
◆焼肉のたれ特集:外食自粛で「おうち焼肉」増加 日常の楽しみ食卓に求め
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、自宅で調理して食べる内食需要が増えている。それに伴い、「おうち焼肉」の機会も増加。2月後半から4月の焼肉のたれの販売が2桁近く伸長したメーカーもある。感染拡大の先行きは不透明だが、家庭内食は増加の見込みであり、引き続き需要の高まりは続くと考えられる。内食率の高まりとともに、日常の楽しみを家庭の食卓に求めるケースが増えている。メーカーは焼肉のたれでできるさまざまなメニューや、焼肉の新しい楽しみ方をWebやSNSで発信し、毎日の食事作りに悩む主婦を手助けしている。(三井伶子)
●汎用メニューで主婦を手助け
19年の焼肉のたれ市場は金額・数量とも前年比3%減(KSP-POSデータ)となった。長梅雨により晴れの日が少なく苦戦のスタートとなったが、ラグビーワールドカップ開催中はTVで試合を観戦しながら夕食を楽しんだ人も多く、焼肉の食卓登場頻度が高まった。
直近の動きでは、新型コロナの影響による外出自粛で家庭内消費が高まったが、焼肉需要は西日本の低温、東日本の天候不順で苦戦。屋外バーベキューや行楽機会の減少、人との集まりそのものが減るなど、マイナス要素が多い。
今年は予定されていた東京2020大会の開催に合わせて、例年以上に焼肉需要が高まると見込んでいたため、各社から焼肉のたれの新商品が発売された。
エバラ食品工業は、「黄金の味」から32年ぶりの新フレーバーとなる「黄金の味 さわやか檸檬」を2月に発売。32年ぶりの新味追加という話題性に加え、レモンを丸ごと使ったようなさわやかな味わいは流通からも好評で、当初の想定を上回り好調に推移している。「極旨焼肉のたれ」シリーズからは「旨辛」を発売し、ラインアップを拡充。手軽に使える「普段使いのたれ」としてファミリー層を中心に利便性が支持され、前年を上回った。
キッコーマン食品は、「わが家は焼肉屋さん」が19年春夏のリニューアルと19年度から起用した松岡修造の宣伝効果もあり、小容量・中容量とも好調に推移。超シリーズからは「超焼肉のたれ」を2月に発売した。焼肉のたれでも具材感や濃厚さを好む層がおり、そのニーズに応えられるスペックを目指し発売。状況は好調で、超シリーズ4品を取り扱うストアが増えている。
モランボンは昨年、「ジャン焼肉の生だれ」が発売40周年を迎え、全面刷新した。新商品で「ジャン焼肉の生だれ 熟成コチュジャン辛口」を投入。俳優の小泉孝太郎をイメージキャラクターに起用し訴求を強化した結果、19年度は前年比2桁増の売上げで着地した。今年6月にはダイニング事業の一環として、同社の韓国料理のノウハウを生かせる新規店舗の開店を予定する。
日本食研は、「焼肉のたれ宮殿・甘口」を2月に発売。「大人も満足できる甘口」をコンセプトにTVCMを投入するなど、販売を強化している。また、業務用ルートに向けても「きざみねぎ塩900gチルド」を発売。普段の食卓で手軽に簡単に外食店のような焼肉が食べられるシーンを訴求していく方針で、食品スーパーの精肉部や食肉加工場をメーンターゲットに営業を強化している。
ダイショーは今春、「甘口焼肉のたれ青森県産りんご果汁使用」を新発売した。昨年発売の「焼肉通り香味野菜しょうゆ味」は好調に推移。主力品は「秘伝焼肉のたれ」「焼肉通りにんにくしょうゆ味」で、中容量サイズが根強い人気を保っている。
●オンライン販促も
新型コロナの影響で外食控えが続く中、焼肉のたれやステーキソース、ローストビーフの素などの販売が伸びている。店頭での販促に十分な力を入れられない中、エバラ食品工業ではスーパーの店頭でオンライン遠隔接客システムを活用した推奨販売を試験的に実施。店頭に宣伝販売員を派遣しなくても、リアルタイムで消費者と対話することが可能となり、今後の生活様式にマッチした販促手法として注目される。
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