免疫力を上げる「ポジティブ脳」な食べ方

「鶏の唐揚げがブームの理由」について書く予定と前回お伝えしたのだが、その後に新型コロナ関連の影響で外食や中食の流れも変化した。いずれにしても、日ごろから免疫力を上げておいて損はないだろう。そこで、今回は鶏の唐揚げにとどまらず、誰でもできる免疫力を上げる食べ方について書かせていただこうと思う。

鶏の唐揚げは、免疫力アップにも期待大

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鶏唐揚げ専門店が続々と 鶏肉のビジネス的な強みは

消費税10%に加えて新型コロナ問題が加わり、都内では外食から中食にシフトした店舗展開が目立つ。テークアウト店が次々に開店して人気の鶏の唐揚げも、免疫力アップ効果が期待できるメニューだ。鶏肉に含まれるアミノ酸の一種「カルノシン」や「アンセリン」には抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎ、抵抗力のある強い肉体作りに役立つとされている。

また、鶏肉に豊富に含まれる「ビタミンA」には組織を形成.・修復する働きがあるので、皮膚や粘膜を守る手助けをしてくれる可能性が高い。ビタミンAは、比較的熱に強い栄養素なので、揚げ物になっても効果がある程度持続可能だと思われる。さらに鶏むね肉に含まれるイミダペプチドという成分は、疲労回復や筋肉疲労を防ぐ効果があり、免疫力を高めるのにつながると期待される。

テークアウト店が次々に開店して人気の鶏の唐揚げ

食の需給バランスと消費者メンタル

3月25日に東京都知事による週末自宅要請が出た際には、あっという間にスーパーの食料品棚が品切れ状態となった。大手スーパーは入店するのに2時間以上待つ店もあったという。一方、飲食店は毎日仕入れた食材を廃棄せざるを得ない状態となった。欲しい人と提供したい人が確実に存在するのに、需要と供給がマッチしていない。

食は生命維持に必須のものだ。しかし非日常の事態になると、どうしても行かなくてはいけない医院などと異なり、嗜好(しこう)性の高い外食店は、「行かなくてよい場所」になってしまうのが現実。代わりに人は、お腹を満たす食そのものを手に入れることに懸命になっていく。

小売店は食品の供給を強化している

また、免疫力を上げたほうが良い、という情報は知ってはいても、いざ、食料品を買うにあたっては、まずはインスタント食品など利便性で安価である商品から売れていき、「免疫力をつけるメニューを選ぼう」という思考は優先順位の上位に上がりにくいのが現状となってしまうようで、寂しい気持ちだ。

免疫力を上げるために必要なのは「食事、睡眠、運動」の基本の3本柱だ。ということは、自分の治癒力は自分自身の毎日の生活で変えられるということになる。中でも、体内に入れる食べ物をどんな気持ちで、どう食べるのかによって、身体の体力はもちろん、「心の体力」も変わってくるのだ。免疫力は、気力が下がると落ちるので、ストレスにも強い「ポジティブ脳」を作っておきたい。

「ポジティブ脳な食べ方」とは

前向きにとらえて食べるだけでも「ポジティブ脳」につながる。簡単にできる私のオリジナルメソッドの一つだが、ご興味あれば試していただければと思う。

例えば、「今日の昼食は豚カツだ!」と店を決めていたのに、急な仕事で時間が削られ、やむなくコンビニで幕の内弁当を買ったとする。

「豚カツのはずが…」と残念に思いながら食べるのを止め、「幕の内もバラエティーに富んだおかずで、いいね」と気持ちを切り替えて、「食べられることに感謝だ。午後もよろしく!」というように、食べた後の自分自身に向けて能動的に、そして感謝して食べてみる。

毎食継続すると、1ヵ月もすれば気持ちに変化が出て、仕事の進め方や生活習慣まで変わる人もいるのだ。中には、夫婦関係が改善した人や、持病の数値が平常数値に改善した人もいて、教えている私自身が本当に驚くほどだ。

免疫力アップを意識しよう

人間は生涯食べ続けるので、食事の機会は多く与えられている。そのためこの方法は、1日3食の場合、必ず1日3回は、感謝するポジティブな気持ちを持つことになるので、習慣化されることで、「ポジティブ脳」が自然に作りやすくなるのだ。

「腸は第2の脳」とも言われ、人類の脳が作られる以前には、腸が脳の役目をしていたという説もある。免疫力と腸内環境とは関係が深いので、ポジティブな脳の流れは、腸の動きも活発化すると考えられ、免疫力アップにもつながる。

いかなる状況にも臆せず強い自分を保つことは簡単ではないかもしれないが、毎日の生活で少し心掛けるだけでも、結果は表れてくるように思う。人々と笑いながら自由に食を楽しめる時が、一日でも早く戻ってきますよう。体の免疫力と心の免疫力の双方を保ちながら、毎日を大事に過ごしたい。(食の総合コンサルタント 小倉朋子)

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