旭化成酒類事業部、「ハイリキ」に新ジャンル商品 ビール風味「レモンモルト」発売へ

酒類 1997.05.28 8210号 3面

旭化成酒類事業部(東京都港区、03・5476・8238)は、「チューハイ・ハイリキ」の新ジャンル商品として、ビールと焼酎をベースアルコールとした「ハイリキ・レモンモルト三七五ミリリットル缶」を、6月5日から全国発売する。希望小売価格は二〇四円。ビールをベースアルコールとした低アルコールプレミックス飲料は、昨年サントリーが「ザ・カクテルバー」の姉妹品として「ビア・カクテル」を発売、今年に入ってからもメルシャンが「ビア酎ハイ」を発売するなど広がりをみせ始めている。旭化成も既存の「ハイリキ」が順調に伸びているものの、成長を持続させるためには新ジャンル商品の確立も必要と判断、「ハイリキ・レモンモルト」を発売する。初年度の販売目標は三〇万ケース。

缶チューハイ、カクテル飲料などの低アルコールプレミックス飲料市場は、昨年約三〇〇〇万ケースと順調に成長したが、缶チューハイはひところの勢いが減少、またカクテル系も製品の消長が激しくなるなど、抱える課題も増えてきている。そういった中で最近注目を集めているのが、健康感を訴えた商品と今までにないジャンルの新商品。

業界がこのような新しい分野に注目しているのは、缶チューハイにしろカクテル・甘味系のプレミックス飲料にしろ、商品設計や味のフレーバーが出つくしたということもある。また、この分野で急成長しているのが梅酒など健康感を出した商品で、低アルコール市場にも何らかの付加価値を加える必要が出てきているという背景もある。

「ハイリキ・レモンモルト」は、このような業界背景を踏まえながら誕生した商品。ビールのそう快なのど越しと、缶チューハイならではの飲みごたえ(アルコール分七%)を兼ね備えた、サッパリとした飲み飽きしない(レモン味)商品設計とした。しかも渇きをいやすだけでなく、おなかが張らないため食事と一緒に楽しむこともできる。

同品はオーストラリアで約四〇%のビールシェアを持つ、ライオンネイサングループのサウス・オーストラリアン・ブリューイング社が製造した。原料事情の良い国で、しかも著名会社との技術提携により、「ハイリキ」の全く新しいポジショニングを持たせている。

冷やして飲むのはもちろんのこと、炭酸が苦手という人にはオンザロックでも十分に楽しめる味わい。ホップのさわやかな苦みと、フレッシュなオーストラリア産レモン果汁がマッチ、チューハイファンにも、ビールファンにも、ともに気軽に楽しんでもらえる商品となっている。

同分野の商品としては、サントリーの「ビア・カクテル」、メルシャンの「ビア酎ハイ」などがすでにあるが、「ビア・カクテル」は昨年八〇万ケースを販売、今年は一五〇万ケースを目標に取り組んでいる。メルシャンの「ビア酎ハイ」は、3月11日の発売ということでまだ販売数量はこれからだが、CVSなどの売場担当者がかなり興味を持っているとのことで、最需要期の夏場に向けて順調にスタートを切っている。

今回、旭化成が「ハイリキ・レモンモルト」で参入したことにより、ビール風味の発泡酒がどこまで伸ばし、またアルコール市場でダントツのビール市場を缶チューハイ関連商品がどこまで引き込むことができるか、この夏は目が離せない状況となってきた。

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