パスタ・パスタソース特集
◆パスタ・パスタソース特集:パスタ、早ゆで好調 ソース、“あえる”けん引
パスタ・パスタソース市場は堅調に推移している。パスタ市場は早ゆで、1食を束にした結束タイプなどの機能面を打ち出した国産商品が売上げを伸ばしている。パスタソースは、ゆでたパスタに“あえる”だけの簡便商品がけん引している。20年は、家庭内需要の拡大が見込まれている中で、調理機会の創出につながる商品展開を行い、パスタ・パスタソースの需要を掘り起こしていく。(久保喜寛)
●パスタ=輸入はブランド重視
パスタカテゴリーは、日欧EPAに絡んで安価な輸入パスタが入ってくることで、市場での価格競争が行われると予想されていた。輸入量は増えているものの、店頭での価格競争など、目立った動きはない。安価な輸入パスタの中には、麺が折れているものが多かったりするため、見栄えが悪いことから、消費者の購入意向が低下しているようだ。むしろ輸入パスタについては、ブランド重視となっているようで、輸入定番ブランドに人気が集まっているという。
国産については引き続き、結束タイプ、早ゆでタイプの販売が順調だ。伸びる背景には、個食化、利便性、人口減少、少子高齢化、省世帯化などの社会的構造の変化が影響しているといえる。結束タイプは、1食分がわかりやすく束にしていることから、使い勝手の良さが支持されている。
早ゆでは、従来8~10分程度のゆで時間が4分程度と約半分の時間でゆであがるため、調理時間の短縮となる。女性の社会進出などにより、家庭内調理の時間短縮ニーズに合致している。
パスタといえば、ロングパスタが中心で、ショートパスタはサラダやグラタンで使用されるマカロニがメーンとなっている。この状況下、昨秋、日本製粉(ニップン)がプレミアムブランド「REGARO(レガーロ)」で、主食として食卓に登場するショートパスタを発売。順調に配荷が広がっているようだ。パスタの本場イタリアでは、ショートパスタが豊富なことから、日本でもショートパスタのバリエーションが広がれば、パスタ市場のさらなる拡大に期待できる。
パスタの麺については、これまで1.6mmや1.8mmという太さの麺線の提供だったが、今春の新商品の中で日清フーズが「マ・マー 早ゆでスパゲティ ファインファスト 2/3サイズ 1.6mm チャック付結束タイプ400g」(ゆで時間3分)と「同 1.8mm 同」(ゆで時間4分)を発売している。同品は、麺の長さを通常のスパゲティの3分の2(約17cm)とすることで、スパゲティとしての食べ応えを持ちつつ、小鍋でゆでられる利便性を兼ね備えたアイテムとして投入する。3分の2の長さはフォークでも箸でも食べやすい長さとなっている。新しい長さの提案が機能面と嗜好(しこう)性の両面で消費者に受け入れられるか注目したい。
また、今春は健康系商品が発売されている。ニップンが「オーマイ」で「全粒粉入りスパゲティ 1.7mm結束タイプ」と「ハイプロテインパスタ」2品を投入する。
日仏貿易はオーガニックブランドの「アルチェネロ」に「有機ファイバー&プロテインパスタ」を1月から発売している。食物繊維を全粒粉のデュラム小麦から、タンパク質(プロテイン)を豆から摂取できるパスタとして展開する。
●パスタソース=活用広げるアレンジ提案
パスタソース市場は簡便性ニーズに対応して“あえる”タイプをけん引役に堅調なカテゴリーとなっている。“あえる”タイプは、簡便な商品設計だけでなくペペロンチーノやカルボナーラなどの定番メニューから、たらこや醤油味といった和風メニューなど、商品ラインアップが充実していることも、幅広い層の獲得につながっている。
簡便性の一つとして、レンジ対応の商品も販売数量を伸ばしている。“あえる”タイプに比べて電子レンジ調理という一手間かかっているものの、時短や簡便さが消費者から受けている。
個食タイプでも、日清フーズの「青の洞窟」や、ニップンの「レガーロ」などの高品質パスタソースも販売増となり、本格的な味わいを楽しむ需要も底堅く存在している。
缶、瓶タイプについては、縮小傾向にあったものの、今年は回復基調にあるようだ。缶や瓶は2~3人前の容量が入っており、家庭内の省世帯化によって、減少していたが、19年は“晴れの日”需要などにより、売上げが伸びたようだ。簡便性を求める一方で、手作り派も増えてきているようで、好きな具材を加えてオリジナルメニューとして楽しんでいるようだ。
今春、手作り派の獲得を図り、カゴメが主力の「アンナマンマ」を大幅リニューアルした。中身の品質を向上させつつ、季節の生鮮野菜や魚などの具材の組み合わせを提案していく。
ニップンは「レガーロ」ブランドの瓶タイプのソース「バジルトマト」「ガーリックトマト」「アンチョビトマト」の3品をパスタ以外の肉や魚料理など手軽に使えるベースソースとして刷新した。アレンジを提案していくことで、パスタソースとしてだけでなく、ベースソースとしての活用も訴求していく。
20年はオリンピックや働き方改革の推進などによって、家庭内需要の増加が見込まれていることから、簡便さやアレンジなど幅広い提案によって、食卓でのパスタの登場機会を増やしていきたい。
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