プレミックス特集
◆プレミックス特集:家庭用の好調続く 業務用の回復が課題
プレミックス市場は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、環境が大きく変化している。外出自粛の半面、家庭内需要の増加によって、これまで成長基調にあった業務用が苦戦する一方で、家庭用が大きく伸長している。ただし、ボリュームでは業務用が約30万t、家庭用が約7万tと大きな差があるため、家庭用が好調に推移しても、業務用のマイナスをカバーできていない状況となっている。好調な家庭用は、調理機会の増加を今後も継続するように家庭内調理の楽しさ、おいしさが提案できる商品の投入や販促施策を実施することが重要となってくる。一方、業務用はウィズコロナでのテークアウト、宅配など新たな需要に対応したメニュー開発に貢献できるような製品の提供などを行い、少しでもマイナスを回復させたいとする。(久保喜寛)
●家庭内調理の定着図る コロナ禍に対応した提案を
日本プレミックス協会によると、2019年のプレミックス市場は、トータル37万3630t(前年比1.3%増)で着地した。内訳を見ると家庭用が、6万8804t(同1.4%増)と、加糖・無糖ともに増加した。家庭用は、10年をピークに年々減少していたが19年に下げ止まった。
業務用は、30万4826t(同1.2%増)となった。無糖が微減となったが、加糖が大きく増加(同3.0%増)したため、トータルで過去最高となった。業務用については、高級食パンミックスなどの新商品の販売増や、人手不足による簡便化需要増などで、成長している。
このような状況だったものの、新型コロナウイルスの感染拡大によって市場は急変している。20年(1~9月)のプレミックス生産量推移では、家庭用が6万1292t(前年比21.2%増)、業務用が20万3657t(同9.7%減)、合計26万4949t(同4.0%減)となっている。家庭用が2割以上増と大きく伸長しているものの、業務用の1割減が全体のマイナスの要因となっている。
4~9月の家庭用プレミックスをカテゴリーで分ける(本紙推定、重量ベース)と、天ぷら粉が前年比9%増、から揚げ粉が前年並み、お好み焼き粉が同31%増、ホットケーキミックスが同60%増と、前年を上回る実績となっているカテゴリーが多い。お好み焼き粉は4月の販売数量が前年比9割増になるなど、内食化による需要の急増が見られた。
4~5月は、特に需要が増えたため、店頭では商品が品薄となった。メーカーも一部商品を休売して、主力品に生産を集中するなどして対応していった。8月ごろになると供給も安定してきて、店頭の品揃えも充実してきた。このような状況から、供給できた商品、カテゴリーは前年を大きく上回る実績となった。
上期が大きな伸長となったものの、10月に入っても各カテゴリーが前年を上回って推移しているようで、今下期(20年10月~21年3月期)においても、家庭用プレミックス市場は、内食率の上昇とともに拡大していくと予想されている。
春に比べて外出する機会が増加したが、家庭内で過ごす時間が例年と比べても増えていることや調理経験の拡大によって、内食機会は引き続き高い水準にあるようだ。
この状況下、秋冬の販売戦略として、家庭内調理を促す、新製品や販促活動を実施。現在の内食回帰による手作り調理スタイルを来期(21年4月~22年3月期)以降にも定着するような取組みを行っていく考えだ。
一方、業務用プレミックスは苦戦が続く。主要取引先の外食産業、中食産業などがコロナ禍の影響で売上げが減少しているためだ。春の状況に比べると下期は回復に向かっているが、単月でも前年並みでの着地は難しいとされている。そのため、メーカーとしては、少しでも顧客の収益の獲得に貢献できる製品やサービスの提案を行っている。
その一つとして、外食産業などが新たに取り組むテークアウト、宅配需要に向けた製品の提供だ。例えば、天ぷらやスナック類で、経時変化が少なくなるような製品や、簡便性や汎用(はんよう)性の高い製品を揃えることで、新しい需要の創出を図っていく。
また、輸入小麦の政府売渡価格が10月1日から5銘柄平均で4.3%引き下げられたことに伴い、主要製粉会社各社が業務用小麦粉の特約店向け仕切り価格の改定を発表している。これらの発表を受け、小麦粉2次加工品についても、現在検討を行っている段階だという。
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