パスタ・パスタソース特集

◆パスタ・パスタソース特集:需要高止まり続く 家庭内での存在感高める

小麦加工 2021.08.20 12278号 05面
用途拡大を目指すパスタソース

用途拡大を目指すパスタソース

 パスタ・パスタソース市場は、さらなる成長に向けた取組みが行われている。パスタ・パスタソースとも、20年度(20年4月~21年3月)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による内食需要の拡大に伴い、大きく伸長した。その裏年として、21年度は減少となっているものの、19年度比では上回って推移していることから、需要は高止まりしているといえる。コロナ禍が続く社会環境の中で、内食化が継続される見込みのため、家庭内でのパスタ・パスタソースの存在感を高めていきたい。(久保喜寛)

 ●パスタ 早ゆで・全粒粉など展開

 日本パスタ協会によるとパスタの2021年国内生産量(1~6月)は、5万6893t(前年比6.8%減)と、減少している。ただし、19年比では同0.6%増と微増ではあるものの、上回っている。一方、輸入量は7万0384t(同15.4%減)と大幅なマイナスとなっている。輸入量に関しても19年比で同4.5%増と伸長している。国内・輸入ともに、前年比では減少も一昨年比では伸びていることから、パスタへのニーズは高止まりしている状況のようだ。

 パスタ市場については、家庭内需要の高まりが顕著な中で、調理の簡便性を提案する早ゆでタイプや健康訴求の全粒粉タイプの商品の展開で、定番アイテムだけでなく、消費者のパスタに対する新たな需要の創出を図っていく考えだ。

 また、ロングパスタだけでなく、ショートパスタの主食としての市場定着も図っていきたい。

 パスタカテゴリーで懸念材料は原材料の小麦粉の価格上昇だ。輸入小麦の政府売渡価格が4月1日から5銘柄平均で5.5%引き上げられたことや、パスタの原料となるデュラム小麦も価格が上昇していることなどを背景に、家庭用では日清フーズが9月1日の出荷分から、昭和産業が7月1日の出荷分から価格改定を実施。流通への理解浸透を図っているようだ。

 この状況下、すでに10月期の輸入小麦政府売渡価格が大きく値上がりすると予測され、「2桁以上引き上げられる可能性がある」(メーカー関係者)ようだ。秋の麦価については、製品価格への転嫁が来春になる見込みのため、来春にはさらなる値上げが行われることになりそうだ。

 ●パスタソース

 パスタソースは、簡便タイプのあえる・かけるソースの人気が続いている。今秋冬は、ラインアップを充実させることで消費者に選ぶ楽しみを提供していく。加えて、手作り需要に対応したパスタソースを展開していくことで、パスタだけでなく、野菜や魚、肉などの素材を使ったメニュー提案を行い、パスタソースの利用頻度向上を目指す。

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