第1回お米未来展2022
◆第1回お米未来展2022:コメの可能性に注目集まる
「コメ」に焦点を当てた需要創造型展示会「第1回お米未来展2022」がデビューを飾った。日本食糧新聞社が4月13~15日、東京ビッグサイトで開催した「FABEX2022」の併設展で、コメ産業のイノベーションによる新需要創造を通じた、コメ消費拡大への貢献が目的だ。会場には29社が53小間を形成。FABEXに来場した3万7781人が熱心に情報収集し、ロシアのウクライナ侵攻による影響で小麦粉の高値や供給不安が広がる中、コメの持つ可能性に熱い視線を投げ掛けた。マスコミ報道も多く、「TVのニュース番組で取り上げられ、反響が大きい」というブースも多かった。(佐藤路登世)
コメ卸では、神明ホールディングス(HD)のブースで、米粉で作った「ライスヴィーガンチーズ」や日本のスーパーフード米ぬかを摂取しやすく加工した「飲める米糠」を紹介したほか、ミツハシはアレンジ自在の冷凍「焼きライスプレート」や、健康米の「美食玄米」、栄養士監修の米飯加工品などを出展した。
アイリスフーズが精米やパックご飯、もち麦や雑穀など健康商材、災害備蓄用アルファ化米など豊富なラインアップを紹介。アイリスロボティクスによる配膳ロボットの実演と併せて注目を集めた。
米粉では、西村機械製作所が卓上型米粉粉砕機「フェアリーパウダーミル」を活用した6次産業化ビジネスモデルを提案。米粉料理研究家大塚せつ子氏によるグルテンフリー調理デモンストレーションに多くの来場者が集まった。
波里は、業界先駆け取得した「ノングルテン米粉の製造工程管理JAS」をPRするとともに、業務用では用途に応じた米粉、家庭用では新商品「お米で作った天ぷら粉」を紹介。ガトーショコラやフラランタンなど米粉スイーツの試食も好評を得た。
みたけ食品工業では食品製造現場のニーズに対応し、作業性と汎用(はんよう)性を兼備した「高機能オールインワンプレミックス米粉」シリーズほか、玄米粉やアルファ化米粉などを紹介した。
群馬製粉は秋田県立大学とのコラボレーションで、高レジスタントスターチ米粉ほか、米粉の菌数低減化(特許出願中)技術を紹介。日の本穀粉の小麦グルテンなどアレルギー特定原材料等28品目不使用米粉パンミックス粉「ふっくらベイク粉」、ケンミン食品のグルテンフリーラーメンの試食も注目を集めた。
健康関連では、東洋ライスは独自精米技術を生かした「金芽米」や「金芽ロウカット玄米」のコメや米粉とその加工品、「金芽米エキス」「玄米エッセンス」など健康食品を通じて、コメが持つポテンシャルを訴求した。ライスアイランドも、話題のオートミールや、タイ産ホワイトライスの炊きやすさやべたつかないなど利点を紹介。低GIかつリーズナブルな穀物としても注目を集めた。そのほか、種商やイーゼンも雑穀類のラインアップを訴求した。
産地からは、石川県の新品種「ひゃくまん穀」普及委員会が自県産オリジナル米品種と、具材も県産品を使ったおにぎりの豊富なラインアップを紹介。岐阜県の農業生産法人・龍の瞳は、大粒かつ超良食味品種「龍の瞳」の試食とともに、パックご飯や米粉、日本酒など加工品も紹介。吉字屋穀店の「スーパームーン」などコメ新品種も好評を得た。
最新技術では、ノボザイムズジャパンが中食用炊飯米に特化した老化を抑える酵素を紹介。消費期限の延長が可能となり、食品ロス削減にも貢献できる。メディカルライス協会の「低蛋白加工玄米」は、エネルギー摂取と低カリウム・リンを両立させ、腎機能を保全できる包装米飯だ。
防災安全協会ブースでは、JA北大阪やアルファー食品などが出展し、コメを切り口にした保存食を紹介。会場内特設ステージで「災害食大賞2022」の表彰式を実施し、「お米・炭水化物部門」「ローリングストック部門」など6部門の最優秀賞と優秀賞、「日本食糧新聞社賞」など8特別賞が授与された。(佐藤路登世)
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◆第1回お米未来展2022:コメの可能性に注目集まる
コメ・もち・穀類 特集 2022.05.23「コメ」に焦点を当てた需要創造型展示会「第1回お米未来展2022」がデビューを飾った。日本食糧新聞社が4月13~15日、東京ビッグサイトで開催した「FABEX2022」の併設展で、コメ産業のイノベーションによる新需要創造を通じた、コメ消費拡大への貢献…続きを読む
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