加工わさび特集

加工わさび特集:家庭用=内食化進み伸長 大容量タイプ好調続く

調味 2020.11.18 12148号 11面
家庭内食化で肉料理へのさらなる利用へ期待

家庭内食化で肉料理へのさらなる利用へ期待

 家庭用の加工わさび市場は9月までの直近1年間でチューブタイプが前年比5.3%増と伸長した。9月までの半年間では同8.7%増、9月までの3ヵ月間では同3.7%増と、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要拡大により伸長した。粉わさびはこの9月までの直近1年間では同2.8%減、半年間で同1.6%減となっているが、9月までの3ヵ月間では同0.8%増となり、市場の減少傾向に歯止めがかかった。

 KSP-POSデータの昨年10月からこの9月までの1年間を見ると、全体で金額は前年比6.0%増、数量で同5.2%増と伸長している。月ごとに見ると、前年の10~12月までは前年割れで推移していたが、2月以降は6月までほぼ2桁の伸長が続いた。7月以降は2桁には届かないものの、ほぼ毎月5%程度伸長している。

 各社別に見ると、エスビー食品の今上期は前年を上回り好調に推移した。高級価格帯の「名匠」シリーズが前年比2桁を超える伸びを示し、大容量サイズも同2桁近く伸長した。また肉料理向けとして定着した「きざみわさび」も好調だった。ハウス食品の20年3月期はチューブタイプ、粉わさびを合わせて前年を上回った。チューブの「特選」が同5%減、廉価品が前年並みで推移し昨年2月に発売した大容量タイプが大きく数字を伸ばしけん引した。両社ともに、新型コロナウイルスの発生以降、巣ごもり需要の拡大とともにチューブタイプが大きく伸長した。

 新型コロナウイルスの発生以前から、家庭用市場は大容量タイプがけん引するとともに高級タイプも伸長してきた。新型コロナウイルスの発生以降は、この流れがより鮮明になるとともに「本生」や「特選」といった主力品が回復傾向となっている。また家庭内食化傾向により、家での焼肉の喫食機会が増えたことできざみわさび類も数字を伸ばしている。

 これからの販促については、エスビー食品は近年、バラエティー化が進んでいるチューブタイプ全般でアピールを図る。「きざみねぎ塩」や「きざみレモン」「粗切りトウガラシ」などの新たなラインアップとわさびのチューブで肉類などへの一層の浸透を推進していく。ハウス食品は年末の需要期にTVCMを投入し、わさびに特化した内容で訴求することで需要の喚起を図る。

 家庭用の加工わさびは家庭内食化が進んだことで、2月以降好調に推移している。今後は、きざみわさび類の肉料理への浸透を図る販促策などでわさびの新たな食べ方を提案することなどで一層の市場拡大が見込まれる。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら