酒類流通の未来を探る

酒類 2020.07.18
酒類流通の未来を探る

 ●新手に期待
 酒もウィズコロナの時代へ–。世紀のビッグイベント、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会と段階的酒税改正スタートの年だったはずの20年。予期せぬ新型コロナウイルスの感染拡大で、誰も想像しなかった事態のまま上半期が過ぎた。
 業務用は壊滅的な打撃を受け、多くの料飲店はいまだに先が見えない状態を続けている。一部家庭用を除けば、メーカー、卸、業務用酒販店といった酒の流通に関わる多くの業態が厳しさの中にある。
 100年に一度ともいわれる危機だが、社会の動きに合わせ、夏場に向け業務用も少しずつ本格的な再開への動きを始めている。根本的な解決策が見えない中だが、“新しい生活様式”に合わせた新たな酒の日常世界を創造していくしかない。
 オンライン飲み会の浸透、巣ごもりによる家飲みや宅配の一般化など、従来それほど注目されてこなかった事柄に光が当たり広がりを見せるなど、着実な変化や進化の芽も見える。この数ヵ月間に得た知見を蓄積し、それぞれの立場で魅力的な提案を実践し続けていくことが肝要だろう。
 未曽有の20年のここまでと現状、酒類市場が未来に向かうためのヒントを探る。(丸山正和)