東北乾物・乾麺特集

総合 2020.08.12

 ●加工メーカー、原料確保に苦慮
 農産・水産乾物は天産物であり、出来不出来はその年の天候に左右される。温暖化の影響で近年は不漁、不作が続いている。産地では生産者が減少していて、相場の上昇に拍車がかかり、加工メーカーは原料手当に苦慮させられている。国分東北では留め型商品「山海の郷」の宮古産だし昆布を2年前に終売した。スーパーでは通路を挟んで棚にあれだけ並んでいる乾物だが、手を伸ばす客は少ない。いくら目的買い商品であっても値頃を外すわけにはいかない。産地事情と消費者の求めるものをさまざまな角度から見直す時期に来ており、メーカー、卸の声をもっと売場に反映してよいだろう。
 乾麺は好調で来たが、7月に入ってからの豪雨、長雨で一服感もある。今期は巣ごもり需要に加え、昨年が冷夏で不振だったこともあり、国分東北が6月まで前年比27.9%増、日本アクセス東北エリアが5月まで同38.7%増で推移。NB商品の欠品に対し、地元メーカーで代替の対応がとられているほどだ。ただ、お盆過ぎれば秋冬の棚替えになり、残る短い商戦でできるだけ成果を上げたい乾麺業界だ。(東北支局長=三沢篤)