日本惣菜協会「惣菜管理士」合格特集

惣菜・中食 2021.08.04
日本惣菜協会「惣菜管理士」合格特集

 ◆有資格者延べ3万人超 食の最新を体系的に学ぶ唯一の資格
 日本惣菜協会の2021年惣菜管理士合格者は3189人で、1993年からスタートした同資格制度の延べ有資格者は3万0665人(2336社)となった。今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止に留意して感染対策を行い、6月下旬に全国13都市17会場で試験を開催。半年間の惣菜管理士養成研修修了者・受験資格保有者の3800人が受験し、一級603人、二級927人、三級1659人が合格。全体の合格率は83.9%だった。過去2番目に多い受験者数は、企業がウィズ・アフターコロナに教育で力を蓄えようとする姿がうかがえた。
 食品に関する知識を広範囲に網羅した業界唯一の研修プログラムは、業界の人材育成として幅広い業種で教育制度に採用され、惣菜製造業をはじめ、食品メーカー、卸、外食、小売、研究機関、包材、機械・設備メーカー、ゼネコン、人材サービスなど、生産から加工・流通までに関連する多岐にわたる企業が受講している。
 企業内でも、製造現場や研究・開発分野にとどまらず、営業・品質管理・広報などさまざまな部署からの有資格者が増えている。企業によっては、OJT(日常業務を通じた従業員教育)や社内昇進制度と惣菜管理士養成研修を連動させるなど、積極的な活用が進む。新入社員の基礎研修から商談での共通言語化、組織力強化など、惣菜管理士の知識が求められるシーンは増えてきている。また、惣菜管理士養成研修は2021年10月開講から全級で刷新したカリキュラムによる研修が行われる。15年ぶりの食品衛生法の改定や食品表示基準の改正、HACCP制度化、GAPなど「世界基準の安全性」や「おいしさ」「健康」「情報提供」といった業界に求められる役割は高度になってきており、そのような時代の要請と受講企業や受講者の要望を受けて、新カリキュラムでは惣菜だけではなく、食品業界全体に通じる開発・製造・加工・流通・企画に関する知識を、より学びやすく体系的に習得できるものにして、食品業従事者のスキルアビリティの向上を目指した研修内容となっている。(福島厚子)