近畿中四国卸売流通特集
コロナ禍で迎えた2度目の夏。首都圏などでは、開催が1年延期された東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を実施。近畿圏では8月、大阪府に4度目となる緊急事態宣言が発令されたのをはじめ、近畿各地でも新型コロナウイルスの感染が再拡大した。
コロナ禍では「不要不急の外出自粛」が求められ、巣ごもり需要による家庭での調理機会が増えている傾向に変わりはない。とはいえ、今年は新型コロナウイルスの感染拡大による学校の臨時休校などに伴い、内食需要が激増した前年の裏年に当たる。SM(食品スーパー)でも昨年の実績に届かないケースが多く見られ、食品卸売業各社にも影響を与えている。
また緊急事態宣言に基づき、大阪府では府内全域を対象に酒類などを提供する飲食店には休業要請が、提供しない店舗には午後8時までの営業時間短縮が求められた。お盆などの夏休みシーズンを迎えたものの、飲食店向けなどの業務用市場にはさらなる厳しい状況が続いた。
大手卸をはじめ地域卸では、これまでに新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底した上で、リアルでの展示会を開催する動きが見られる。商談の場では引き続きオンラインも活用しながらリアルとバーチャルのそれぞれの長所を活用しながら、つなぎの役割を果たすために取組みを進める。
コロナ禍ではあるが、緊急事態宣言の発令など、社会を取り巻く環境は日々、変化する。食品流通業界における消費者のニーズや購買行動にも大きな影響を与える。食品卸売業各社は、絶え間なき環境変化に対応しながら売上げの獲得を目指す。(特別流通取材班)
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◆近畿中四国卸売流通特集:絶え間なき環境変化に対応図り売上げ獲得へ
卸・商社 2021.08.28コロナ禍で迎えた2度目の夏。首都圏などでは、開催が1年延期された東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を実施。近畿圏では8月、大阪府に4度目となる緊急事態宣言が発令されたのをはじめ、近畿各地でも新型コロナウイルスの感染が再拡大した。 コロ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸動向=変わらぬ食のインフラ担う責務
卸・商社 2021.08.28◇新たなつながりの創出模索 コロナ禍においても食品卸に求められるメーカー、得意先をつなぐという役割は変わることはない。しかし、リアルでの取組みがある程度制限されるコロナ禍においては、オンラインとリアルの長所をそれぞれ生かせる場面を使い分けながら業務…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸動向=各社で業務効率化への動き
卸・商社 2021.08.28◇利益改善の取組みに効果 昨年は外出自粛で内食需要が大きく膨らんだが今年はその裏年となり、地域卸各社にとっても大きな売上げの伸長が見込めないのが実情だ。利益改善への取組みを進め効果を上げるとともに、ITを駆使した業務効率化への対応にも動きが見られる…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:R-net・酒井修司社長 メーカーとの取組みに注力
卸・商社 2021.08.28一つの企業体として関西エリアの地域食品卸9社がメンバーとなり、スケールメリットを生かしながら地域の「毛細流通」をカバーするR-net。強みとする共同企画販売ではメーカーとの取組みに注力するとともに、コロナ禍や人口減少が進む社会情勢を見据えながら、販売…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:中国地区動向=激変する市場への対応急務
卸・商社 2021.08.28昨年から今年にかけて新型コロナウイルス感染症に振り回されている。コロナ禍で1年延期となった東京オリンピック開催中も新型コロナウイルスの感染拡大は続き、新たな変異株の出現・拡大も新たな脅威として全国各地の社会生活に影響を及ぼし続けている。コロナ禍で、社…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:四国地区動向=人口減で激しいシェア争い
卸・商社 2021.08.28四国は人口減少問題がいわれて久しい。総務省が6月に発表した20年国勢調査の人口速報集計結果によると、同年10月1日現在、四国4県の全人口は369万8512人で、15年の384万5534人から3.8%減少している。 県別で最も人口減少率が高いのが高知…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・近畿=旭食品近畿支社 独自の立ち位置で差別化
卸・商社 2021.08.28旭食品近畿支社は、大手卸とは違う自社独自の立ち位置で差別化を図っていくという基本方針のもと、メーカー、得意先とともに地域密着で事業を展開する。関連会社のデリカサラダボーイ岡山工場から惣菜商材を調達し、近畿地区の小売業への納品実績を伸ばしている。物流の…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・近畿=伊藤忠食品 ギフト市場の強化拡大へ
卸・商社 2021.08.28伊藤忠食品は、2年目を迎えた中期経営計画「Transform2022~領域を超えて~」で「デジタルサイネージ」「惣菜」「物流」を重点3分野に掲げ、新しい価値の創出に向けた具体的方策に取り組んでいる。西日本エリアでは同3分野に加え、通年ギフト市場の需要…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・近畿=加藤産業 つなぎの役割徹底果たす
卸・商社 2021.08.28今期(21年9月期)の加藤産業の近畿エリアにおける売上高は、第2四半期を終えた時点でほぼ計画通りで推移している。取引先との取組み強化など今期の三大基本方針に沿い業務活動を推進。第4四半期を迎え、売上げを確実に獲得し、期末の予算達成を目指す。菅公博常務…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・近畿=国分西日本 3温度帯でサービス向上
卸・商社 2021.08.28今期から始動した第11次長期経営計画の下、「人・モノ・コト 全てにおいてあくなき追及を~なるぞ!西日本のリーディングカンパニー~」をエリア長計ビジョンに掲げる国分西日本。7月には国分フードクリエイトの西日本エリアの低温事業を統合。「常温と低温の融合」…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・近畿=日本アクセス・近畿 来期以降見据えて拡…
卸・商社 2021.08.287月に1年半ぶりにリアルでの展示会を開催した日本アクセス。下期にも22年1月に「春季フードコンベンション2022」を開催予定で、ウィズコロナからポストコロナまでを見据えた売場提案を強化し、さらなる売上げ拡大につなげる。今第1四半期は増収増益で着地。下…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・近畿=三井食品関西支社 新価値創造・価値伝達…
卸・商社 2021.08.28三井食品関西支社では、中期経営計画に沿って四つの基(基軸・基盤・基準・基本)をキーワードに収益力強化に取り組むとともに、主要顧客との取引深耕を進めながら、フルライン提案による売上げ拡大と、新カテゴリー農産品やEC事業、給食事業などの新分野の育成・強化…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・近畿=三菱食品関西支社 売上げにこだわる1年…
卸・商社 2021.08.28三菱食品関西支社では今期を売上げにこだわる1年とし、各エリアの得意先との信頼関係に基づく取組みに注力。リアルとデジタルを使い分けたニューノーマルに対応した提案を強化していく。同時に、食のビジネスを通じた持続可能な社会の実現を目指す新たな「中期経営計画…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・中国=中村角 生産性向上へデジタル化
卸・商社 2021.08.28瀬戸内沿岸エリアから九州北部に至るグループの管轄エリア全体での基盤強化を進めている中村角。基本施策であるローコストオペレーションと提案営業のレベルアップを図りながら、デジタル化の推進による効率化、生産性の向上にも積極的に取り組んでいる。コロナ禍という…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・中国=日本アクセス西日本営業部門 エリア内の…
卸・商社 2021.08.28コロナ禍で激変する市場環境への対応強化を進めている日本アクセス。中四国エリアでは、そうしたコロナ禍対策に加え、従来から進む少子高齢化や人口減少、流通再編などへの対応も重要課題となっている。現状や未来を見据え、重点施策の推進を図りながら中四国エリアでの…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・中国=広川 時流に沿った変革目指す
卸・商社 2021.08.28広島市に本部を置き、中国5県や愛媛、香川県で展開する広川。頼れる食のパートナーとして地域の食品業界発展への貢献を続けている。地域活性化を目指した地域商品の開発をはじめ、地場農産品や高付加価値のオリジナル商品開発にも積極的に取り組んでいる。効率化や生産…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・中国=藤徳物産 地域の食文化・伝統守る
卸・商社 2021.08.28地域の総合食品卸として、中国地区ナンバーワンの歴史と実績を誇る藤徳物産。三井食品との資本業務提携によるシナジー効果も発揮し、商品力や営業力が増強されている。生産性向上、効率化などを図った組織変更も最終段階を迎え、コロナ禍で先の見えない市場環境ながら、…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸・四国=旭食品四国支社 カテゴリーを超え深掘り
卸・商社 2021.08.28人口減少と小売市場への四国外からのチェーン参入で対応に迫られる旭食品。創業の地である牙城の四国で「さらなる地域密着の深掘り」をテーマに、カテゴリーを超えた売上げの拡大を図っている。槇山勝則四国支社取締役支社長兼管理本部長に話を聞いた。(藤林敏治) …続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸トップに聞く 従来の枠超えチャレンジ
卸・商社 2021.08.28●生産性高め強い競争力を 売場・商品・売り方を模索 消費者ニーズ変化に対応 長引くコロナ禍で、大手卸ではオンラインを活用した取引先との商談や展示会が見受けられる。しかし地域卸をめぐっては資金面の課題などもあり、リアルの展示会に代えて社内でメーカーの…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=大物 付加価値高く存在感を
卸・商社 2021.08.28◇大物・日阪俊典社長 大物(日阪俊典社長)は、大阪を拠点に関西一円の有力問屋を得意先に持つ。今期は業務プロセスの見直しをはじめとしたDX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みを重点項目に掲げている。その中でも特に受発注業務の効率化に向け、3…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=五大物産 頼りになる食品問屋へ
卸・商社 2021.08.28◇五大物産・角田勇吉社長 五大物産(角田勇吉社長)の21年3月期(49期)決算は、売上高は前年比4%減の60億4000万円だったものの、当期損益は前年の赤字から約3000万円の黒字となり減収増益で着地。20年3月期(48期)に導入した新システムの効…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=大乾 売上高前期超え目指す
卸・商社 2021.08.28◇大乾・村瀬忠久社長 大乾(村瀬忠久社長)の21年3月期(前期)の売上高は、25億円(前年比3.8%減)で着地した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け緊急事態宣言が発令され百貨店が営業できない時期などがあり業績に影響した。業務用の実績も良くなかった…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=丸正高木商店 地域との関わり大切に
卸・商社 2021.08.28◇丸正高木商店・高木誠治会長 丸正高木商店(高木誠治会長)の21年1月期(前期)は、売上高48億4500万円(前年比2%増)で着地した。 22年1月期(今期)は、売上高50億円(同3%増)を目指す。 長引くコロナ禍の中、ここまでの実績は前年より…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=カミタ 新たな領域で事業展開
卸・商社 2021.08.28◇カミタ・上田勲社長 カミタ(上田勲社長)は地元の滋賀県を拠点に、地域密着で地域に貢献する食品卸売企業として事業を展開している。 20年9月期の業績は微減収微減益で着地した。今期はコロナ禍の影響で外食関連の業務用部門が影響を受け、家庭用市場での挽…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=藤澤 得意先つなぐパイプ役
卸・商社 2021.08.28◇藤澤・公庄勝明社長 藤澤(公庄勝明社長)は、地域に根差した地域問屋を基本方針に、北近畿エリアを基盤に事業展開している。 前期(21年2月期)の売上高は、目標に掲げていた34億円を上回る35億4000万円(前年比1%増)で着地した。コロナ禍におけ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=共栄 売場環境づくり手伝う
卸・商社 2021.08.28◇共栄・玉置宗克社長 共栄(玉置宗克社長)は、地域卸として和歌山県内を地盤に、近畿エリアで事業を展開している。前期(21年5月期)の売上高は27億3825万円(前年比11%増)で着地の見込みだ。物流の予定管理ができるようになったことで物流の効率化に…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:業務用卸=尾家産業 ヘルスケア早期に200億円へ
卸・商社 2021.08.28◇尾家産業・尾家啓二社長 業務用専業卸・尾家産業はコロナ禍での外食自粛、店舗の閉店・時短営業が業績に直結し、前3月期を減収赤字で着地した。一方で、オンライン提案会を業界で初めて開催したほか、社内構造改革にも着手。今期はヘルスケア市場での確固たるポジ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:業務用卸=トーホー 5重点施策で変革取り組む
卸・商社 2021.08.28◇トーホー・古賀裕之社長 トーホーは全国展開する業務用食品卸事業(DTB)がコロナ禍の影響を大きく受け、21年1月期は苦戦。今期は新中計「SHIFT UP 2023」を始動し、五つの重点施策を推進。新たな環境に適合し、成長し続ける筋肉質な企業グルー…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:酒類卸=名畑 コロナ対策商品提案を強化
卸・商社 2021.08.28◇名畑・名畑豊社長 業務用酒類食品卸「名畑」は、飲食店向けに新型コロナウイルスの感染防止対策商品の提案に注力する。営業面では提案力を高めながら、企業としての基盤強化に努める。名畑豊社長に今期の取組みなどについて聞いた。(藤林敏治) ●敵視されない…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:菓子卸=相互 今を好機ととらえ新規開拓
卸・商社 2021.08.28◇相互・藤原弘社長 1930年創業の菓子卸、相互の21年6月期は売上高前年比3.8%減の45億1000万円での着地見込み。これは京都中央卸売市場内のC&C「昌栄」を、老朽化に伴い20年1月に売却した影響が大きい。コロナ禍では京都府内の学校売店が休店…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:味噌卸=ジャポニックス 粗利低下改善が最優先課題
卸・商社 2021.08.28◇ジャポニックス・土屋勇蔵社長 味噌を中心とした調味料や独自の開発商品など、多彩な商品群で市場ニーズに応えるジャポニックス。昨秋以降の大型帳合獲得で売上げが大幅に拡大する中、今期を来年に向けた準備の年と位置付け、売上げ拡大に伴う粗利低下の改善を最優…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:味噌・漬物卸=兵漬兵庫食品 オリジナル商品開発に注力
卸・商社 2021.08.28◇兵漬兵庫食品・杉藤貞美社長 味噌・漬物問屋の兵漬兵庫食品の2021年3月期の業績は、コロナ禍に伴う巣ごもり需要の高まりで食品スーパー(SM)向けは好調に推移したが、業務用や貿易部門は苦戦した。22年3月期は社内体制の見直しなど、さらなる業容拡大へ…続きを読む