冷凍食品特集

冷凍・チルド 2022.06.29

 冷凍食品業界は22年の折り返しを迎え、収益の確保に頭を悩ませている。コロナ禍で顕著となったコンテナ不足と海上運賃の上昇、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格のさらなる高騰に加え、ここに来て急激な円安と動燃料費などの高騰が追い打ちをかけている。生産性向上や業務効率化などの企業努力だけではとうてい吸収できないコストアップ圧力が直撃。従来のような原材料の置き換えによる対応もできず、品質の維持には価格転嫁しか手がないのが実情で、メーカー各社は春の価格改定に続き、秋にも再度価格改定を実施することで流通の理解を求めていく。21年の冷食市場全体は前年比4~5%増と堅調に推移。22年も引き続き成長を続けていくには、収益が確保できなければならない。これまでに経験のないコスト高の環境を乗り切っていくには、単価上昇に見合った付加価値の高い商品・サービスの提供が求められている。(藤村顕太朗)