野菜・野菜加工特集
野菜・野菜加工特集:野菜に関する調査 コロナ禍、「食品ロス」に意識高まる
タキイ種苗は、8月31日の「野菜の日」に合わせ、13回目の野菜に関するインターネット調査を実施した。その結果、食品ロス問題への意識が、コロナ禍で高まっていることが判明。さらに、包装のない(少ない)商品に対する抵抗感が薄れ、むしろない(少ない)方が良いと思う人が5割を超えた。一方、生産者には「顔がわかる野菜を買いたい」「助けたい」が4割を占め、これもコロナ禍を機に意識が高まっている。調査対象は全国の600人で、子どもに関する質問事項は、12歳以上の子どもがいる人に聞いた。(佐藤路登世)
野菜購入時の環境問題への配慮に関して、プラスチック包装がない(少ない)ものに対する抵抗感(図1)を、「感じない」「あまり感じない」合わせて74.6%に上った。「包装がない(少ない)方が良い」(図2)と考えるのは、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせて57.6%となり、前年の55.5%から微増した。
「抵抗がある」と答えた人に理由を聞くと「衛生面が心配」が2位以下に大差を付けて、78.9%となった。その一方で「ない(少ない)方がよい」の理由では「地球に優しい」がトップで64.2%。「ゴミが面倒」も59%の約6割に上った。
食品ロス問題(図3)を「強く意識する」と「ある程度意識する」の合計は68.1%に上り、野菜ロス削減のために実践することの1位は「食材を無駄にしない」。2位「傷まないうちに消費」、3位「食べきれる量だけ買う」で続いた。コロナ禍により実践・意識することの1位も「食材をむだにしない」が挙がり、2位の「生産者を助けたい」も17.8%いた。
コロナ禍での野菜購入の際の行動や意識の変化については、「衛生面を気にするようになった」が60.7%で最も多く、特に20代は71.3%と7割以上。「生産者の顔がわかる野菜を買いたい」は40%で、このうち30代が46.6%で最多となった。「鮮度を意識」「日持ちするもの」「料理汎用性」は、どれも20代が最多となり、若年世代で意識や行動が変化している様子がわかる結果となった。
以下は毎年恒例の質問だが、野菜好きか否かでは、大人は「大好き」「どちらかと言えば好き」を合わせて90.4%に上り、3年連続で9割を超えた。子どもの野菜好きも64.3%と2年連続で6割を超え、このうち「大好き」は前年から5.7ポイント増の18.8%となった。
野菜摂取に関して「かなり重視」31.7%、「ある程度重視」53.2%と、合計8割以上に上る一方、「十分摂取している」は16.2%にとどまり、「かなり不足」5.3%と「やや不足」23.7%を合わせて約3割に上り、不足意識が強いことが分かった。
野菜不足を実感する人にその理由を聞くと、「量をたくさん食べられない」が32.2%で前年に続き1位。「普段の食事で食べる機会が少ない」27%、「野菜の価格が高い」23.6%のトップ3は前年同様だが、「たくさん食べられる料理方法がわからない」が前年より5.1ポイント増加した。一方、「量をたくさん食べられない」は、男性で年齢が上がるにつれて増加するのに対し、女性は減少。「値段が高い」は、40代女性で実感度が強く、食べ盛りの子どもがいる家庭で、価格が消費のネックとなっていることがうかがえた。
野菜を購入する際、最も重視することは、1位「新鮮」71.5%、2位「価格の安さ」62.8%、3位「おいしさ」57.2%のトップ3が圧倒的だが、7位の「料理のしやすさ」が30~50代女性で多く、毎日の料理に悩む主婦の姿が浮き彫りになった。