世界に羽ばたく日本の食
日本食糧新聞は、創刊75周年特別企画として「世界に羽ばたく 日本の食–外務省『食産業担当』現地ルポ」の新連載を開始する。今回の岸田文雄外務大臣の寄稿を皮切りに、外務省在外公館の食産業担当(日本企業支援担当官)が現地の食料事情、「日本の食」の普及状況、規制・制度などを伝える。
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(34)ロシア 極東の成…
連載 総合 2018.04.06●窓口は空路2時間 日本の食品産業のロシアへの進出には、中国における香港のように、ウラジオストクが窓口として重要である。東京から空路わずか2時間強の距離に位置するウラジオストクは、モスクワまで続くシベリア鉄道の東の起点であり、かつ、極東最大規模の港…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(33)トルコ 親日国の…
連載 総合 2018.01.08トルコは古来、東西文化・交易の交差点であり、トルコ料理は世界3大料理の一つとされているが、一口にトルコ料理といっても日本でよく知られているケバブのみならず肉、魚、野菜とさまざまな調味料、調理法を用いたバリエーション豊かな料理が展開され、トルコ料理は世…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(32)オーストリア
連載 総合 2017.12.25◆高品質果物などに可能性 音楽の都といわれるウィーンを首都とするオーストリアは美しい景観やウインタースポーツで有名であるが、欧州有数の農業国でもある。農林水産業のGDPに占める割合は1.5%にすぎないが、酪農品についてはほぼ自給(自給率=牛乳162…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(31)英国 ブーム到来…
連載 総合 2017.12.01英国では日本食がブームである。英国全土に広がる日本食レストラン数は886店舗(2017年=クロスメディア社調べ)に上り、直近10年間で2倍以上の伸びとなっている。このブームは、日本の食産業にどのようなチャンスをもたらしてくれるのか。 ●身近な店が増…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(30)ハンガリー
連載 総合 2017.11.13近頃のハンガリーの街角で感じる変化として、高級車と高級レストランの増加が挙げられる。以前はメルセデスやアウディなどの高級車といえばドイツやオーストリアナンバーが主流だったが、現在はハンガリーナンバーのポルシェも見かけるようになった。また、小じゃれたイ…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(29)ルクセンブルク
連載 総合 2017.11.08◆「スシ・トレイン」が人気 ●世界一「豊かな国」 ルクセンブルク大公国は、フランス、ドイツ、ベルギーに囲まれた内陸国である。神奈川県より少し大きい面積に、約57万人の人口を擁している。世界の約140の銀行が拠点を置き、欧州の金融センターと呼ばれて…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(28)ルーマニア 「和…
連載 総合 2017.10.27●消費増で経済成長 ルーマニアは近年、経済成長が著しく、16年は4.8%(IMF確定値)、17年には4.2%(IMF予測値)と、EU加盟国内で最高レベルの成長を記録している。経済成長の主要因は消費拡大にある。15年6月にはほとんどの食料品の付加価値…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(27)リトアニア 二重…
連載 総合 2017.10.20リトアニアはバルト海沿岸、バルト三国の最南端に位置し、北海道の約8割の面積に約289万の人口を有するEU加盟国であり、森や湖など豊かな自然に囲まれた国である。「命のビザ」で有名な杉原千畝元副領事が駐在していたことで有名であり、日本からの観光客も年々増…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(26)ポルトガル 日本…
連載 総合 2017.10.11ポルトガルと聞き、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。歴史の授業で習った種子島、鉄砲、フランシスコ・ザビエルなどではないだろうか。 それでは、現在のポルトガルには何をイメージするだろうか。最近は、TV番組などで紹介される機会が増えているため、ご存じの…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(25)ブルガリア 欧州…
連載 総合 2017.10.04ブルガリアは、古くからアジアや中近東の影響を受け、東西文化の交流の舞台となってきた。伝統的な食文化としては新鮮な野菜や果物、豆や木の実が豊富に使われ、スパイスの効いた豚肉や鶏肉が好まれており、これらはバルカン半島を中心とした近隣国と基本的に共通してい…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(24)フィンランド 国…
連載 総合 2017.09.27●寿司ブームが突出 森と湖の国フィンランド。その美しい首都ヘルシンキの街を歩いてみよう。すると、すぐそこに寿司屋がある。次の角を曲がってみる。また、寿司屋だ。その先のブロックまで進むと、ここにも寿司屋があるではないか。と、こんな調子だ。食の多様化が…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(23)デンマーク 和牛…
連載 総合 2017.09.15●日本料理店が200軒 北欧の南端に位置するデンマークは人口577万の小国であるが、食、特に美食に対する意識が近年高まっており、その一例として首都コペンハーゲンには18軒のミシュラン星付きレストランがある。その中でもたびたび世界のベストレストランに…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(22)チェコ共和国 日…
連載 総合 2017.09.04チェコ共和国は、ドイツの東隣、オーストリアの北隣と、まさにヨーロッパの中央部に位置している。首都のプラハはその地理的な好条件もあり、かつては神聖ローマ帝国の首都が置かれた時代もあるなど、古い時代の街並みを今なお残す美しい街である。 神聖ローマ帝国以…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(21)スイス 良品価値…
連載 総合 2017.08.21スイスは、1人当たりGDPが世界第3位(16年、OECD調査)の裕福な国である。欧州連合(EU)には加盟していないものの、EUとの間で自由貿易協定が締結されており単一市場となっている。加えて貿易円滑化を図る観点から、EUに準じた食品規則が用いられてい…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(20)イタリア 寿司・…
連載 総合 2017.07.31イタリアは、パスタやピザなど伝統的な食生活へのこだわりが強く、他の食文化を受け入れることが難しいといわれていた。マクドナルドのイタリア進出は日本より10年以上遅く、スターバックスにいたっては今年やっと1号店が開店したことからもお分かりいただけるのでは…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(19)スペイン 規制と…
連載 総合 2017.07.24●日本料理店が倍増 スペインは、日本の農林水産物・食品輸出先としては、EU内の英国やフランスなどと比べ決して大きな輸出額ではないものの、国内の日本食レストランの数が過去3年間でほぼ倍増するなど、日本食ブームの追い風の中で堅調にマーケットが拡大してい…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(18)ギリシャ 若者中…
連載 総合 2017.07.10ギリシャ人は一般的にオリーブオイルをたっぷり使った料理や甘い中東風菓子が好物で、生魚が苦手な人が多い。しかし、新鮮な魚介類が手に入るギリシャでは寿司ブームが進行中で、ワインを飲みつつ巻き寿司をつまむ人が若者を中心に増えている。本格的ではないが手頃な値…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(16)アイルランド 和…
連載 総合 2017.06.26アイルランドは、伝統的な食料の生産・輸出国である。1990年代からの積極的な外資誘致が成功し、アイルランド経済のけん引役は米国をはじめとする多国籍企業となり、業種ではIT(情報技術)、医薬品、金融などに取って代わられたが、農業・食品産業の存在感は依然…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(15)EU 欧州28ヵ…
嗜好飲料 連載 総合 2017.06.19欧州地域の初回となる今回は、EU(欧州連合)の日本からの農林水産物・食品の輸入や、EUの日本産食品に対する輸入規制の概況について説明したい。 ●日本料理店が急増 EUは欧州の28ヵ国からなり、総人口・総GDP(国内総生産)ともに日本の約4倍の規模…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(14)ペルー 成長性高…
連載 総合 2017.06.12ペルーは、アマゾン川流域のセルバと呼ばれる熱帯雨林、標高4000m級の山々が存在するシエラと呼ばれる山岳地域、海岸線に存在するコスタと呼ばれる砂漠地域の三つの特色豊かな地域に分けられ、多様な生物相を有しており、マチュピチュ、ナスカの地上絵をはじめとす…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(13)メキシコ 輸入促…
連載 総合 2017.06.05江戸時代初頭、太平洋を帆船で渡り、メキシコ(当時はスペイン領)にたどり着いた日本人使節団がいた。一行を率いたのは、仙台藩士の支倉常長。伊達政宗から通商交渉の命を受けていた。メキシコとの通商関係樹立というミッションは果たせなかったが、4世紀の時を経て今…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(12)チリ 市民権得た…
連載 総合 2017.05.29チリの首都サンティアゴのカジェ(通り)を歩くと、至るところに「SUSHI」の看板を見かけることになる。チリには約200店の日本食レストラン(その他宅配は600店以上)が営業しているという集計があるが、実生活の感覚ではもっと多くの店舗が日本食の看板を掲…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(11)ブラジル
連載 総合 2017.05.22◇日系移民が育み、現地生産進む 日本の農林水産物や食品の輸出先として考えた場合、ブラジルの最大のハードルは、煩雑な手続きや複雑な税制、国内物流システムの未整備などのいわゆる「ブラジルコスト」と呼ばれるものであろう。一方で、その市場の大きさと、親日国…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(10)米国・ロサンゼル…
連載 総合 2017.05.15◇人気のレストランで不動 ●ラーメン出店続々 ロサンゼルスは、100年を超える日系人の歴史が育まれてきた地域であり、世界最大の在留邦人を擁する都市であることから、いまや日本食は全く珍しいものではない。また、米国への玄関口となる全米最大規模のロサン…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(9)米国・ニューヨーク
連載 総合 2017.05.08◇世界へ飛躍の舞台で高評価 ●先駆者集う街 ニューヨークは、多様な人種・民族で構成され、バラエティーに富んだ食文化が根付き、世界中の食材や飲食店、食産業先駆者が集う。そんなエネルギーあふれるニューヨークの食市場は、世界の食産業界の最先端を走り、世…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(8)米国 ミレニアル世…
連載 総合 2017.05.01●多様性が特徴 米国は、人口3億2200万人の巨大な購買力を有する世界最大の食市場である。さまざまな人種・民族を抱えることから大都市では多様な食文化が存在し、世界的な流行の発信地である東のニューヨーク、食べられない日本食はないとまで言われるほどに日…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(7)ミャンマー インフ…
連載 総合 2017.04.24●日本産牛肉を輸出 政府が2016年5月に策定した農林水産業の輸出力強化戦略において、ミャンマーは主要対象国に位置付けられている。11年の民政移管後、急速に市場開放を進めるミャンマーは、5000万人以上の人口を擁し一定の市場規模を有することに加え、…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(6)マレーシア ハラー…
連載 総合 2017.04.17●67%がマレー系 マレーシアは人口の67%がマレー系である。マレー系の多くがムスリムであり、豚肉・アルコールは口にしない。25%が中華系で高所得者が多く、アルコール・果物などの高級食材の購入意欲は高い。残りの7%がインド系である。 マレーシア国…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(5)ベトナム 冷蔵・冷…
連載 総合 2017.04.10●多様な食文化形成 ベトナムは南北に細長く、変化に富んだ地形・気候、多様な民族とその固有な文化、周辺国家や欧米諸国との歴史上の関わりによって多様な食文化が形成されている。 例えば、主食はコメであり、日本と同じようにおかずや汁物と一緒に食べる(フォ…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(4)ブルネイ イスラム…
連載 総合 2017.04.03●3番目の大きな島 ブルネイは世界で3番目に大きな島、ボルネオ島の一角に三重県程度の面積を占める人口約40万人の東南アジアの国。国王(スルタン)に権力が集中する政治体制の下、シャリア刑法(イスラム刑法)によって国内では酒類の販売が一切禁止されるなど…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(3)中国・香港 10年…
連載 総合 2017.03.27●街に日本料理1300店 ご存じの方も多いかもしれないが、日本から輸出される農林水産物・食品の20%以上が香港で、これまで10年以上輸出先として1位を誇っている。一度香港を訪れるとすぐに目に留まるが、市街地には多くの日本食料理店が並んでいる。高級日…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(2)中国・上海 高い健…
連載 総合 2017.03.13●外食産業は7.3%増 在上海総領事館の管轄は上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省の1市4省であるが、発展する中国の経済・文化の中心地であり、在留邦人数が約4万6000人にもなる上海市を中心に、食市場の特徴などについて紹介したい。 中国料理協会…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ(1)中国 変化・拡大す…
連載 総合 2017.03.06●日本料理店は最多 「東南アジアは人口が1ヵ国数千万人程度で、しかも国ごとに戦略を変えなければならないことを考えると、中国は数ヵ国分のマーケットであり、効率的で非常に魅力を感じている」。これは、中国へ進出している日系食品企業の声である。 中国の日…続きを読む
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世界に羽ばたく日本の食 外務省「食産業担当」現地ルポ:連載開始に寄せて 外務…
統計・分析 総合 2017.03.01日本食糧新聞は、創刊75周年特別企画として「世界に羽ばたく 日本の食--外務省『食産業担当』現地ルポ」の新連載を開始する。今回の岸田文雄外務大臣の寄稿を皮切りに、外務省在外公館の食産業担当(日本企業支援担当官)が現地の食料事情、「日本の食」の普及状況…続きを読む