チョコレート特集

菓子 2020.11.04
チョコレート特集

 コロナ禍による人々の不安とそれに伴い、社会不安の増大にチョコレートが一定の役割を果たした。巣ごもり需要の早期には、ビスケット、スナック菓子など食事代替の商品が伸長、チョコはタイムラグがあったが、需要が急増した。目の前にある感染リスクと感染拡大に伴う、景気悪化への不安から、チョコに安らぎ・癒やしを求めたようだ。購入経験があり、安心できるロングセラーブランドの大袋商品の購買に高い意欲を見せた。
 また、コロナ禍で健康意識がさらに高まり、健康志向のチョコの需要も増加した。さらに「ステイホーム」の長期化で、手作り需要が増加、近年市場に勢いがなかった、板チョコのニーズも高まった。学校休校で外遊びができない子どもたちの心を癒やしたのもチョコだ。子ども向けの商品はいずれも高い伸びを示した。一方、20年秋冬新商品は、ロングセラーブランドの好調による生産キャパシティーの問題、感染症拡大防止による商談減少とオンライン化、小売業の棚替えができるかとの不安など、コロナ禍特有の課題に加え、ライン新設を伴う開発リスクを避ける近年の傾向もあり少なかった。(青柳英明)