ヨーグルト・乳酸菌飲料特集

乳肉・油脂 2022.05.30

 コロナ禍で急速に高まった自己防衛意識による活発な動きが一巡した今、ヨーグルト・乳酸菌飲料の両市場は成長の分岐点に差し掛かっている。ウィズコロナが常態化したことで、生活者のニーズは当初の「免疫」獲得のイメージから、在宅時間の定着によって、各人や家族の体調管理へと軸足が動いているようだ。一時、多くの新規ユーザーの流入で久々の活況となったヨーグルト市場は、2021年度は前年に続きダウントレンドに突入。先行きが不透明な社会経済状況や、話題性の減少なども加わった。一方で乳酸菌飲料は高付加価値商品の好調や、根強い継続飲用に支えられ、消費・生産量ともに拡大。市場は上向き基調にあるようだ。ただし、両市場とも、乳酸菌やビフィズス菌といった核となる素材での訴求は、他の食品カテゴリーとの競争が激化している現状がある。今こそ、食品としての「原点回帰」を進め、需要を再構築するステージだ。
 メーカー各社は、それぞれの強みを生かした特徴あるプロダクト訴求はもちろん、喫食・喫飲機会の増加を目指した提案の幅を広げている。機能性の高い商品の理解醸成と、各品の食品としての本質的価値を追求する動きが活発となっているようだ。今後の成長曲線を描けるか、注目の年になる。(小澤弘教)