すしの素市場、商機は普段使い ひな祭り訴求も復活

調味料 ニュース 2021.02.01 12181号 01面
Mizkanが提案する「お祝い紅白モザイク寿司」、白の大根はカンタン酢で漬けるだけ

Mizkanが提案する「お祝い紅白モザイク寿司」、白の大根はカンタン酢で漬けるだけ

 すしの素は年初から緊急事態下における巣ごもり需要を得ている。内食増の一年を経て時短・簡単調理、家族に喜ばれるメニュー価値が再評価された。消費の大部分をひな祭りに頼ってきたが、普段使いの日常化が一気に加速した。コロナ禍でできなかったハレの日訴求も今年は復活。通年化がさらに進みそうだ。

 緊急事態宣言が行われた1月は、すしの素の出荷量も前年比1割ほど増えたとみられる。コロナ特需の裏年は2月から始まり、昨年3月の市場規模は3割増を超えて最も伸びた。感染第2波の8月を次のピークにして通期で需要は堅調。自衛社会で選ばれ、今の第3波でも支持された。

 ご飯に混ぜるだけでちらし寿司ができ、刺し身などのタンパク質を加えれば主食、主菜を兼ねて調理疲れが癒やされる。彩り豊かな見栄えに子どもが喜び一緒に調理する楽しさも備える。

 コロナ以前はひな祭りで年間の半分を売るとされて季節商材ともされた。逆に昨年は売場や生産の混乱もあって催事提案が控えられた。親族が集まる行事食は避けられ、家族限定だったが、市場の伸長率は前年比6%と長期縮小を脱した。トップメーカーの永谷園が「すし太郎」の「納豆卵チーズのっけめし」などを提案して定着。CM投下、行き過ぎた価格訴求なしに通年で伸ばし、金額ベースで大幅に上回った。

 現在の消費増も昨春の特需には及ばず、本来のひな祭り商戦を行って反動減を小さくする。3月は桃屋がラジオの人気番組で「五目寿司のたね」のレシピを紹介し、店頭でシズルPOPを用意。前年同期は備蓄需要も多かったが、以後は実用が進んでいることも好材料になる。さまざまな食材に合って具だくさん、無理のない食酢摂取といった健康価値も伝える。=関連記事5面(吉岡勇樹)

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