酒類流通の未来を探る2023
新型コロナウイルス禍を経て、酒類業界が「量から質」への変革を迫られている。コロナの長期化で成人1人当たりの酒類消費量が落ち込み、今後も人口減少などを背景に消費量は減る。少人数での飲み会や自宅でゆっくり楽しむ飲み方などが定着し、求められる酒も変わっている。(岡朋弘)
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◆酒類流通の未来を探る:「量から質」へ高単価提案を
酒類 特集 2023.07.22●物流危機で効率化急務 製配販3層連携重要に 新型コロナウイルス禍を経て、酒類業界が「量から質」への変革を迫られている。コロナの長期化で成人1人当たりの酒類消費量が落ち込み、今後も人口減少などを背景に消費量は減る。少人数での飲み会や自宅でゆっくり楽…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:カクヤス・佐藤順一社長に聞く SDGsの観点から、樽詰…
酒類 特集 2023.07.22カクヤスグループの23年3月期決算(連結)は売上高1149億6000万円(前年比34.4%増)、営業利益8億0300万円(前年33億2800万円の営業損失)、経常利益8億円(同28億9800万円の経常損失)、当期純利益6億0900万円(同28億080…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:小売最前線=SM 酒税改正でビール売場一変か
酒類 特集 2023.07.2210月の酒税改正がスーパーのビール類売場に与える影響は大きい。ビールの税率引き下げは追い風になるものの、新ジャンルの税率が上がって発泡酒に並ぶことは、販売動向への懸念はもちろん、売場構成そのものを一変させかねない。 イオングループは、この変化を見越…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:小売最前線=CVS ある程度家飲み定着し底堅い
酒類 特集 2023.07.22コンビニエンスストア(CVS)の酒類の商品・販売戦略は5月に新型コロナの5類移行でさらに人流の活発化が見込まれ、コロナ禍で苦戦してきた観光地や繁華街などを中心に客数の増加が期待できる中、酒類の販売にも追い風になりそうだ。その上、家飲み需要は一定程度定…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:外食最前線=飲酒業態で客単価アップ傾向
酒類 特集 2023.07.225月8日に新型コロナの感染法上の分類が2類から5類へ移行し、行動制限がなくなったことで5月以降、人流が戻り外食業界は好調が続いている。日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査によると、外食全体の5月度の売上げ高は、前年比111.8%、コロナ禍前の…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:高単価品に軸足 「和」「小」「低」で需要つかむ
酒類 特集 2023.07.22酒類卸各社が高単価品の販売に軸足を移しつつある。コロナ禍を経て成人1人当たりの飲酒量が減り続けている。売上げ維持のため高付加価値品の育成を進めて「量から質」への転換を急ぐ。物価高や物流問題といった業界課題に対応しつつ、高単価品が売れる環境づくりを目指…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:ビール類=新ブランド相次ぐ 酒税改定2度目、スムーズな…
酒類 特集 2023.07.22ビール類は酒類で最大ボリュームを占め、市場での注目度合いも高い。23年は10月に実施される2段階目の酒税率改定が最重要トピックとなる。ビール類は3段階での増減税が進行中だ。狭義のビールは20年、23年、26年に減税。新ジャンルは20年、23年と増税で…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:ノンアル・微アル=飲まない層からも高支持
酒類 特集 2023.07.22酒類市場が全体として苦戦する中、酒類卸をはじめ流通各層が注目するのがノンアルコール飲料だ。近年はアルコール度数0.5%の“微アル”といった度数軸、RTDやワインテイストなど味わい面での多様化が進む。コロナ禍を経てさらに高まった健康意識からの飲用と、じ…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:日本旅行で訪れたい飲食店、2位に居酒屋
酒類 特集 2023.07.22訪日インバウンド集客事業などを手掛けるTokyo Creativeは、日本以外の国籍を持つ外国人約1000人を対象に、「日本旅行で訪れてみたい飲食店」に関する調査を実施。その結果、1位が「ストリートフード」、2位に「居酒屋」となった。コロナ禍で苦境が…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:名畑 飲食店経営を総合的サポート
酒類 特集 2023.07.22◇エリア有力卸の取り組み ●値上げ効果、付加価値に還元 名畑(名畑豊社長)は業務用酒類食品卸として、飲食店の経営を総合的にサポートする。今期は、スマートフォンを使ったセルフオーダーシステム「スマホオーダー『よろこんで』」と、厨房の課題を解決する「…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:秋田屋 効率化と細かいサービス奏功
酒類 特集 2023.07.22◇エリア有力卸の取り組み ●より筋肉質な経営体制築く 名古屋市の秋田屋(浅野弘義社長)の今期(23年7月期)売上高はコロナ禍の収束を受けて、前年比2桁増で着地する見込みとなっている。利益面では業務効率化の施策ときめ細かいサービスの取り組みが奏功し…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:新潟酒販 県内首位も市場縮小に危機感
酒類 特集 2023.07.22◇エリア有力卸の取り組み ●生き残りかけシェア拡大へ 新潟県内トップの酒類卸・新潟酒販(雫石明社長)はシェアを守るだけでなく市場の拡大に力を入れている。県内の市場の縮小は深刻だ。人口減に加えて、若い世代は飲酒機会がなければ飲まず、飲酒習慣のある高…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:輸出動向=日本産酒類、11年連続で過去最高
酒類 特集 2023.07.22●インバウンドも追い風に 日本産酒類の輸出拡大が続いている。国内酒類市場が縮小する一方で、22年の輸出金額は前年比21%増の1392億円と大幅に伸長し、11年連続で過去最高を更新した。コロナ対策が緩和されインバウンド(訪日外国人)が回復する中、酒蔵…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=国分グループ本社 酒食のマッチング提案
酒類 特集 卸・商社 2023.07.22◇国分グループ本社・東野聡執行役員マーケティング・商品統括部酒類部長兼戦略推進室長 国分グループ本社は、今年から本格展開を始めた凍結流通酒の育成を強化するほか、酒食のマッチング提案で酒類市場の活性化を図る。「量から質」への転換を進める東野聡執行役員…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=日本酒類販売 原点回帰で地方酒強化
酒類 特集 卸・商社 2023.07.22◇日本酒類販売・村上浩二取締役専務執行役員営業本部本部長 日本酒類販売は今期、「原点回帰」をテーマに元来の強みである地方酒の提案を強化する。コロナ収束後を見据えて、日本酒や本格焼酎をはじめ、国産クラフトビールや日本ワインといった日本の各地域に根差す…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=三菱食品 「非競争領域の協業」を
酒類 特集 卸・商社 2023.07.22◇三菱食品・細田博英取締役常務執行役員商品統括 三菱食品の細田博英取締役常務執行役員商品統括は、非競争領域を広げ酒類業界を挙げた効率化を推し進めるべきと指摘。人口減少で市場の縮小が確実視される中、共通フォーマットを相互利用することで製配販3層のコス…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=三井食品 酒の魅力幅広く伝える
酒類 特集 卸・商社 2023.07.22◇三井食品・佐藤友治商品本部本部長 三井食品は今期、「差別化」「物流強化」「生産性向上」を全社的な経営テーマに掲げる。酒類も、この3軸を重点に据えて活動を展開するが、特に酒の魅力を幅広く伝えることを重要視する。佐藤友治商品本部本部長は、自社のオリジ…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=伊藤忠食品 インバウンド需要期待
酒類 特集 卸・商社 2023.07.22◇伊藤忠食品・福嶋義弘取締役・常務執行役員営業統括部門部門長代行(兼)商品本部本部長 伊藤忠食品は22年度、酒類売上高が前年度比5%増と伸長して着地。今年度は10月の酒税率改定を大きな山ととらえ、万全の体制を敷き対応に努めていく考えだ。現状打破のキ…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=日本アクセス 物流力で新たな酒体験
酒類 特集 卸・商社 2023.07.22◇日本アクセス・岡部友輔海外事業部長兼酒類MD部長 日本アクセスは今期から、冷蔵配送機能を生かした酒類の総合的な提案「チル酒」をスタートした。従来の「キリリ生の酒」だけでなくクラフトビールなど他カテゴリーにも対象を広げ、より幅広い訴求へとブラッシュ…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:北海道 総合酒類をブランド化 新たな発信で盛り上がる
酒類 特集 2023.07.22北海道は水産、乳製品、農産品の一大産地だが、ここ数年、ウイスキーやワイン、ジン、クラフトビール、日本酒の酒類製造が活発になり、「総合酒類の北海道ブランド」で新たな発信に盛り上がっている。 2016年にスタートした厚岸蒸留所、17年に酒造開始の上川大…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:東北 各社、ぜいたく感を訴求 キリンはクラフトに注力
酒類 特集 2023.07.2210月のビール減税を控え、各社、ぜいたく感を味わえる新商品を積極的に投入。新ジャンルが増税となることから、市場の中心はビールに移行するとの見方が強い。 キリンビールの東北統括本部は、人口減少に伴うビール市場の縮小は避けられないとしながらも、トレンド…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:新潟 企業の宴会、着実に回復 ノンアルコール飲料人気
酒類 特集 2023.07.22新潟県でも飲食店は徐々にコロナから回復してきているが、そのスピードは首都圏よりもかなり遅い。酒類消費の大きい企業や団体のパーティー・宴会が着実に回復している一方で、かたくなに多人数の会合を行わない企業が多数あることが要因だ。慎重な県民性の特徴ともいえ…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:山梨・長野 甲信地区はワイン振興 ECチャネルの展開強…
酒類 特集 2023.07.22甲信エリアは、日本一のワイン産地だ。山梨県、長野県は日本ワインの製造量やワイナリーの数で、それぞれ全国1、2位に立っている。 山梨県の業務用卸・武田食品は、「甲州ワイン」のEC販売に力を入れている。 大手ECモールに出店する「甲州ワイン街道」では…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:関東 製配販連携で危機回避 2024年問題含む物流課題
酒類 特集 2023.07.22酒類業界の重要課題として物流の2024年問題が挙げられる。食品物流分野では2024年問題を含めた物流危機回避に向けて首都圏食品スーパー4社による連携も進む。酒類業界も持続可能な物流体制を構築するためには、製配販の連携が不可欠。高まる物流コストの抑制対…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:中部 昨年10月から復調傾向 エリアごと状況に濃淡も
酒類 特集 2023.07.22コロナ禍に収束の兆しが見え出した22年10月以降、中部地域での酒類をめぐる市況は回復基調にはある。しかし、大手自動車メーカーによる厳しい感染対策の影響で、他の地域に比べて、やや回復は鈍化しており、現状ではコロナ禍前の水準まで持ち直していない。 ただ…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:近畿 こだわりの酒・食提案を 京都酒販4年ぶり発掘展
酒類 特集 2023.07.22京都酒販はコロナ禍で開催を控えていた京都のこだわりの酒や食品を提案する「『京の酒・京の食』発掘展」を19年以来、4年ぶりに京都市内で5月に開催した。 清酒やウイスキーなどの京都ブランドの逸品を訴求。京都のインバウンド需要が回復に向かい期待が高まる中…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:中国 G7で43蔵集い販売会 記念ラベル酒売上げ寄付
酒類 特集 2023.07.22広島県(BUYひろしま協議会)と広島県酒造組合は5日、広島県庁内で広島県産日本酒の販売会を実施した。当日はG7広島サミットで各国首脳に提供された銘柄を含む県内43蔵の日本酒が集結し、珍しい銘柄が揃ったこともあり、予想を上回る来場者でにぎわった。 会…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:九州 クラフトビールがブーム 商品拡充、イベントも活況
酒類 特集 2023.07.22現在一つのブームにもなっているクラフトビール。九州エリアでも製造場は複数存在する。また、ドラッグストアやディスカウントストアが攻勢を強める中、スーパーマーケットで一つの差別化戦略として、新店でその品揃えを強化する企業もある。高価格帯を含め幅広く商品を…続きを読む