生協特集

生協特集:フードドライブ・フードバンク推進 神奈川3生協と企業、自治体連携

特集 小売 2019.04.26 11869号 09面
ユーコープ店鋪では1月にフードドライブ専用のケースを設置

ユーコープ店鋪では1月にフードドライブ専用のケースを設置

フードドライブで集まった食品を分類。ユーコープの見学会として組合員も参加(フードバンクかながわ)

フードドライブで集まった食品を分類。ユーコープの見学会として組合員も参加(フードバンクかながわ)

各地の生協は破袋したコメ、売り切れなかった季節商品などをフードバンクに寄贈し、また、組合員の家庭で余った食品を集めて寄贈するフードドライブを実施する。ユーコープ、生活クラブ神奈川、パルシステム神奈川ゆめコープは、県内の企業、病院、自治体などと連携して、フードバンク・フードドライブ活動を進める。東西に広い県で、生協の物流基盤を使って県内で食品を必要とする人を応援する。

ユーコープは1月に神奈川県内の小さい店舗を除いた61店鋪でフードドライブ活動を実施。昨年8月には20店鋪で実施し、実績を挙げたため61店鋪に拡大した。賞味期限が2ヵ月以上残っているドライ商品中心に集めた。ギフト商品には家庭で使わず、廃棄するだけの商品もあり、その受け入れとして1月と8月に実施。今年8月には全店舗での実施を目指すという。ユーコープはもともとフードバンク活動に取り組んでいたが、昨年から年2回、フードドライブにも取り組み始めた。

店鋪では正月の鏡もちなど季節商品や、精米してから時間がたったコメなどもあり、宅配では急なキャンセル品など廃棄処分になるものもあった。

ユーコープの宅配センターからは座間市の物流センターに戻り便を使って輸送。また、店鋪からはコメ以外、同じ物流センターを使い、コメは低温流通食品の物流拠点であるシーサイドセンターを使う。店鋪からの食品も戻り便を利用する。

食品は座間センター、シーサイドセンターから、シーサイドセンターに近いフードバンクかながわに運ばれる。

フードバンクかながわは受け入れた食品を調味料、菓子、主食に分け、賞味期限ごとに分類。コメはあらためて精米する。生協などから送られてきたデータをもとに賞味期限、個数などを全て把握。一部を除いて、東は川崎市麻生区、西は小田原市まで、各生協の宅配センターなどに送る。そこに食品の支援を受け取る自治体、地域のフードバンク、子ども食堂が受け取りに来る。

フードバンクかながわは昨年4月から事業を開始。生協だけでなく、全労済神奈川県推進本部、農業団体などで構成する。食品は県内の生協だけでなく、日本生活協同組合連合会、食品メーカー、コメ卸などから寄贈を受けている。病院、学校などの非常時用の備蓄品の切り替えにも対応してきた。今年3月までで累計46t、約29万点の食品が捨てられずに使われた。供給先も登録制でフードバンクかながわが実際に現地を視察、事前に必要な食品や量を登録、それにそって商品を供給していく。

ユーコープ以外の生協も今年に入ってフードドライブを実施。フードバンクかながわは県内の他の小売業にも働きかけていく。

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