納豆特集

◆納豆特集:市場規模、8年連続の拡大 死亡リスク低下発表で特需

全国納豆協同組合連合会(納豆連)によると、業務用を含めた19年の市場規模は約2503億円だったとみられる。発酵食品ブームの継続、消費者の根強い節約志向、健康機能性の高さから、マーケットは8年連続で拡大し、16年以降は過去最高を更新し続けている。19年の伸び率は近年では最小となった。ただ、20年に入り、国立がん研究センターが、日常的に納豆を摂取する層は死亡リスクが1割以上低下すると発表、TV番組でも取り上げられたことから、2月以降は特需となっている。メーカーによっては、製造を主力に絞り込んだり、春夏の新商品発売を見送るなどで対応している。(小島麻由美)

11年には東日本大震災でメーカーの工場が被災し思うように生産できず1730億円(10年は1800億円)にまで落ち込み、00年を100%とした市場規模は89%にまで縮小し、この年は00年以降で最低だった。その後、急回復し、市場は引き続き拡大基調にある。

14年から6年間にわたり、1世帯当たりの納豆消費金額、業務用も含めた市場規模とも伸長を続け、第4時成長期を迎えていると見られる。

総務省家計調査によれば、19年の1世帯当たりの消費金額は4238円で、18年比ではわずか0.1%増、4円の伸びだった。量販店の売場では、特売の目玉となることが多いが、18年4月に、大手メーカーを中心に値上げを実施した。背景には資材、原材料、人件費の高騰がある。

納豆原料の大豆の年間消費量は160万tで、納豆に加工すると生産量は31万2000t。パック数に換算すると、1パック40gとして年間78億個が生産されたことになる。19年の1世帯当たり消費金額を地域別で見ると福島市(6785円)が全国1位で、水戸市、盛岡市、山形市と続き、最下位は和歌山市(2189円)だった。

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