漬物特集

漬物特集:キムチ動向=免疫力が後押し 新規層取り込み前年超へ

農産加工 2020.08.08 12094号 03面

 キムチは「免疫力」をキーワードに18、19年と伸長し続けている。20年に入ってからも5月までの生産量は前年同月比10%前後の増加となっている。KSP-POSデータによれば、市販品は20年3~5月の数量ベースの前年同月比で20~35%増、金額では同30~45%増と大幅に伸びた。韓国産キムチも、20年に入ってからは免疫力をキーワードに発酵食品が注目されたこと、また人気TV番組で特集が組まれたことで市販品は好調だ。ただ、業務用は外食が4、5月に営業できなかったため、これらの企業は厳しい状況にあった。国産、韓国産とも、今後はゆっくりと落ち着きを取り戻していくものの、新たにキムチを食べる習慣ができた層が増え、前年を上回ったまま推移すると予測される。テレワークの定着で「におい」の問題が解消され消費増につながったとみるメーカーもあった。

 国産も健康情報番組で取り上げられた影響は大きかった。白菜産地が切り替わる端境期で原料高も重なった4、5月には出荷調整し、強気の価格で店頭に並んだ。

 キムチの需要期は夏と冬で、秋の新米シーズンも漬物全体の需要期となる。ただ、今年は夏需前の増量キャンペーンなど販促を見送るメーカーもある。

 すでに産地は高冷地に移動している。外国人技能実習生に頼っていた収穫作業停滞が懸念されたが、払拭(ふっしょく)されそうだ。

 今後も前年を上回る要因として、テレワークの定着による恩恵を指摘する声もある。これまで翌朝の、あるいは当日のにおいを気にして平日の夜や朝に喫食を控えていた人が、気にせず毎日毎食と、食べる機会が増えているという。既存客の需要増も期待できる。

 国産、韓国産を合わせた19年のキムチ供給量は前年を1万t以上上回った。韓国キムチが占める割合は8.8%と、前年を下回った。日本向け韓国産キムチの輸出実績では、輸出量が前年比2.4%減、輸出金額が1.6%減だったが、1kg単価は若干上昇した。(小島麻由美)

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