近畿中四国小売流通特集

小売 2019.11.13
近畿中四国小売流通特集

 ●ポイント合戦による不毛な価格競争を懸念
 今期の小売各社は、青果の相場変動に苦戦しながらも、3~6月までは、比較的堅調に推移していたが、7月の長梅雨による天候不順の影響で夏物商品の落ち込みが大きく、3~7月累計で大半が前年実績を下回っている。8月は気温上昇にともない回復傾向を示したが、7月のマイナス分をカバーするまでにはいたらなかった。
 このような厳しい環境下で10月1日からは消費増税(税率8%から10%)となる。食品は消費税率8%に据え置く軽減税率制度(一部商品は10%)が適用される。消費者の負担を軽減し、中小店舗の売上げ減防止、キャッシュレス化の促進が狙いで、キャッシュレス決済によるポイント還元を20年6月まで実施する。クレジットカードや電子マネー、スマートフォンのQRコード決済など、現金以外で買い物をした際、購入額の一定割合を国がポイントとして還元する制度。中小店舗だと5%、大企業のフランチャイズ(FC)加盟店だと2%還元されるが、大企業はその対象とならない。不公平極まりない、税金のバラマキなどの批判があり、ポイント還元で消費税率は実質的に3%~10%までの複数となるなど、分かりにくい制度となっている。制度開始時はポイント還元対象となる約200万店の4分の1程度の参加にとどまるもようで、果たして中小店舗支援になるのか疑問だ。
 少子高齢化の進行で、市場は依然縮小傾向が続いており、キャッシュレス決済によるポイント還元が導入されたところで、買い場が変わるだけで消費が喚起されるとは思えない。小売業界においては、大企業のポイントアップや販促強化を柱とした競合対策が強まり、ポイント合戦による不毛な価格競争が懸念される。
 (関西支社=廣瀬嘉一)