昆布加工品特集

水産加工 2021.08.25
昆布加工品特集

 ●間口広げ新規層獲得へ
 昆布佃煮や塩ふき昆布、とろろ昆布、だし昆布、昆布茶などの昆布加工品市場は、これまで高齢層を主要層として市場を維持してきた。ご飯食機会の減少などの社会環境の変化で昆布消費が停滞する中で、加工品メーカーでは次世代に受け入れられる新たな食シーンを創出し、料理の調味料としての用途訴求を中心としたトレンド対応を進めてきた。
 昨年から続く巣ごもり需要の長期化で、業務用向けは苦戦するも食品スーパーなどでは特に、塩ふき昆布や昆布茶を中心に数字を伸ばし、佃煮やとろろ昆布の動きも堅調だ。
 内食増加に伴い、ご飯や麺料理の“添え物”としての消費増のほか、調味料用途としての需要も大きく伸びたと推測される。
 SM販売のメーカー各社では需要増をさらにとらえるため、売場連動型の販促を拡大強化。次世代層への最も効果的なアプローチとして、SNS発信なども駆使しながら料理用途の訴求を一段と強めていく。
 一方で、百貨店店舗などで高級昆布を中心に扱う老舗昆布メーカーは、コロナ禍の影響を大きく受けている。その中で昆布のうまみを訴求し、そこに「健康」や「簡便」などの価値を付加した多彩な関連商品の開発・提案を推し進める。昆布への間口を広げて、新規層の獲得と育成につなげたい考えだ。(徳永清誠)