外出自粛の英国でグルメポップコーンが大ヒット ジントニック味や醤油味も

最近、英国では米国のスナック菓子がブームとなっている。その中で、特に注目されているのがポップコーンである。コロナ蔓延によるテレワークの急増とともにポップコーンが飛ぶように売れている。そして、これがただのポップコーンではないのだ。今回は英国で大ヒットしている「グルメポップコーン」について紹介する。

健康意識の高まりでポップコーンに注目

ポップコーンといえば、映画館や遊園地で売られているスナック菓子というイメージが強かった英国だが、最近は日常的な菓子としてポップコーンの人気が急上昇している。

スーパーのポップコーン売場(筆者撮影)

このトレンドについて市場のエキスパート達は、英国人の健康意識の高まりが売上げに反映していると分析している。確かにポテトチップスと比較すると、ポップコーンはカロリーが低く、食物繊維も豊富なようだ。

特に英国では、 「グルメポップコーン」と呼ばれる新しいタイプのものが売上げを押し上げている。ビールやジンのブームを経験した英国人には、「クラフト」や「グルメ」という言葉が魅力的に感じるようだ。グルメポップコーンに関しても、新しくてエキサイティングな商品を求めている多くの消費者を引き付けている。

参照サイト:
Online popcorn sales are booming during lock down, reports Popcorn Shed – Retail Times

ポテトチップスを超える?

大手スーパーなどで入手できるポップコーンは、オーソドックスな風味のものが多い。例えば、塩味やバター味の他、甘味タイプのキャラメル味である。しかし、グルメポップコーンは風味がさまざまで、種類が豊富だ。

タフィー味のポップコーン(筆者撮影)

例えば、ゴートチーズ(山羊乳のチーズ)&黒胡椒味、照り焼き味、ジントニック味、ビール味、オレンジチョコレート味、ブルーチーズ・クルミ&セロリ味、醤油&キャラメル・ゴマ味、マルガリータ味、中華風チリソース味…。50種類以上も販売しているオンラインショップも存在する。

英国紙ガーディアンは、2013年以降、ポテトチップスの販売数の減少が見られる一方でポップコーンの販売数が伸びていることを報じた。さらに英国は、欧州諸国の約2倍ものポップコーンを消費しているそうだ。

ポテトチップスの大御所といわれるWalkers社は、ポップコーン市場に早速乗り出している。

参照サイト:
Popcorn sales explosion makes it UK’s fastest-growing grocery product | Food & drink industry | The Guardian

コロナ禍のストレス解消に

一度目のロックダウンが始まった2020年3月以降、グルメポップコーンの専門店である「POPCORN SHED (ポップコーン・シェッド) 」は、顧客ターゲットをBtoBからBtoCに移行し、3.5倍も販売数を伸ばした。商品開発の予算をオンライン広告へと回し、FacebookやGoogleを駆使した結果だという。

クリスマス用グルメポップコーン(筆者撮影)

コロナ蔓延による映画館の閉鎖やイベントなどの中止により、自宅で過ごす時間が増えた英国人の買物はオンラインが主となった。夏休みを国内で過ごした彼らには金銭的な余裕もある。豪華なポップコーンでスナックタイムを楽しむのもコロナ禍のストレス解消の一つとなっている。このまま、ポップコーンがポテトチップスをしのぐ時代が来るのだろうか。とても興味深い。(フードライター ラッド順子)

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