チーズ特集
種々のコストアップや円安の進む為替相場、2度の価格改定など複合的な要因が作用し、国内のチーズ市場はまさに「逆光」の中にある。巣ごもり消費で特需を経験した20年度から一転し、生活防衛意識の高まりから家庭用は漸減傾向。一方で人流の復活で回復基調にある業務用だが、ここにきて感染者数がまたまた急増し、ユーザーのコストダウン志向が高まってきたりしていることから、ボリュームの回復はまだ楽観を許さない状況といってよい。主要輸出国・地域でもウクライナ危機や景気後退などが影響。国際相場の動向には注視が必要だ。国内に目を向けると、酪農生産基盤強化の観点からもチーズ消費の拡大は必至だが、現状は冷え込んだ需要をいかに回復させるかが急務だ。逆光は被写体に暗い影を落とすが、別の角度から光を当てることでさまざまな表情を映し出す。これまでとは異なる食べ方や商品の提案を各社積極的に進めており、消費者マインドの多様化したチーズ市場に新たな光を当て始めている。(小澤弘教)
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◆チーズ特集:“逆光”の正念場を商機に 消費マインド多様化に提案進む
乳製品 特集 2022.12.21種々のコストアップや円安の進む為替相場、2度の価格改定など複合的な要因が作用し、国内のチーズ市場はまさに「逆光」の中にある。巣ごもり消費で特需を経験した20年度から一転し、生活防衛意識の高まりから家庭用は漸減傾向。一方で人流の復活で回復基調にある業務…続きを読む
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チーズ特集:チーズ通じて酪農家を応援 国産NC使用アイテム戦略進む
乳製品 特集 2022.12.21新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、生乳需給は大きく混乱し、年末年始の処理不可能乳の発生懸念が再び高まっている。加えて、冬から春にかかえては、気温が低いことや、年末年始の旅行・帰省、長期休暇中は学校給食がないことなどにより、牛乳の摂取量が少なくなる…続きを読む
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チーズ特集:主要チーズ輸出国・地域の動向 供給前線異常あり 国内外価格差縮小…
乳製品 特集 2022.12.21近年、高水準で推移してきたチーズの国際相場だが、秋の声が聞こえたころから徐々に変化が見られてきた。世界で同時多発的に発生したインフレーションがスタグフレーションに移行しつつある中、欧州などで景気が減速。堅調な需要が続いていた中国もゼロコロナ政策の徹底…続きを読む
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チーズ特集:アイルランド産チーズ 認知度拡大へ積極展開
乳製品 特集 2022.12.21◆日本市場向け機能性アイテム投入も 世界180を超える市場に乳製品を輸出しているアイルランドは、日本市場での同国産チーズの認知度拡大に向けて、さまざまな積極策を講じている。北半球で最も牧草の生育期間が長く、国土の約8割を牧草が占めるスケールメリット…続きを読む
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チーズ特集:チェスコ 主力商品重点拡売へ サプライヤーと販促策
乳製品 特集 2022.12.21チェスコの22年度上期業績は、今春の価格改定や空輸商品の休売影響などもあり、ほぼ前年並みの売上高となった。市場全体が苦戦傾向にある中、通期に向けてあらためて同社ならではの強みを発揮した商品戦略を推進。秋冬の新商品や期間限定品の販売拡大はもちろん、「イ…続きを読む
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チーズ特集:ラクト・ジャパン 物量安定確保に注力 中長期的視野で調達を
乳製品 特集 2022.12.21ラクト・ジャパンの22年11月期チーズ事業は、国際相場の上昇と円安基調で、売上高は想定よりもプラス推移となったが、物量面では微減となった。今後は世界的需要がますます高まると予想されるチーズ市場だが、同社は中長期的視野に立ち、新たな契約や交渉の形式を考…続きを読む
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チーズ特集:エフ アール マーケティング チーズ楽しむ空間提供
乳製品 特集 2022.12.21●中長期的視野で調達を エフ アール マーケティングの23年2月期は、減収減益で推移している。折からの原材料高騰などの影響で、9月までの「ル・ルスティック」ブランドの取扱物量(メーカー出荷ベース)は前年比6%程度マイナスで推移。 「何かアクション…続きを読む
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チーズ特集:東京デーリー 高付加価値シュレッドに新たなアイテム投入
乳製品 特集 2022.12.21東京デーリーは22年度下期、テーブルチーズ主体に約30アイテムの価格改定完遂を最優先に、ブリー、青カビ、チーズチップスなど重点ブランドの強化に注力する。中でも、高付加価値シュレッドに新たなアイテムを投入。近年の消費者志向に合わせ、小容量・健康志向のこ…続きを読む
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チーズ特集:野澤組 冷凍品の拡販目指す 引き続きNC価値発信
乳製品 特集 2022.12.21野澤組は今期の重点施策として、冷凍チーズの販売拡大に注力していく方針だ。現在取り扱うイタリア産冷凍モッツァレラや、ツガーブランドのIQFモッツァレラに加え、ラインアップを拡充。子会社のエフエフシーの加工品で冷凍流通アイテムを増やしていく。食品カテゴリ…続きを読む
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チーズ特集:雪印メグミルク 酪農支援へ国産品拡販
乳製品 特集 2022.12.21雪印メグミルクは、国内の酪農生産基盤を守ることを使命に、国産チーズの販売拡大へ力を入れていく方針だ。北海道産生乳を100%使用した「雪印北海道100」シリーズを中心に、国産ならではの価値を訴求。高付加価値シュレッドやカマンベールの食べ方提案などのプロ…続きを読む
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チーズ特集:明治 「十勝」で本質価値追求
乳製品 特集 2022.12.21明治は下期、今年で発売30周年を迎えた「明治北海道十勝」ブランドを武器に、チーズの本質的価値の追求を進める。輸入NCとの価格差が縮まっている現状もあり、あらためて国産NCの強みを生かしたカマンベール、モッツァレラ、大容量シュレッドなどを注力展開。酪農…続きを読む
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チーズ特集:森永乳業 「モッツァレラ」メニュー提案強化
乳製品 特集 2022.12.21森永乳業は下期、伸長が続くモッツァレラの秋冬メニュー提案を強化、折からの物価高による生活者ニーズに対応した戦略を取る。冬場の注力メニューとして「モッツァしゃぶしゃぶ」をプッシュ。コストパフォーマンスの良さも武器に拡販を図る。長引くコロナ禍で変化してき…続きを読む
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チーズ特集:六甲バター 本格スイーツ路線展開
乳製品 特集 2022.12.21六甲バターは今期、チーズデザートカテゴリーのさらなる市場拡大を狙う。産地にこだわる旬の果物やショコラを使用し、チーズ好きに加え本格的なスイーツ好きも納得する嗜好(しこう)性の高いフレーバーを展開。低糖質食材であるチーズのメリットを生かし「罪悪感のない…続きを読む
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チーズ特集:協同乳業 クリームチーズ用途拡大で差別化
乳製品 特集 2022.12.21協同乳業の22年4~10月チーズ販売実績は、前年を10%程度下回って推移した。サワークリームが家庭用で伸長した一方、業務用で通販向け物量の落込みが大きく、マイナス影響となった。下期はクリームチーズ(100g)のパッケージを刷新。量販店など家庭向け販路…続きを読む
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チーズ特集:マリンフード 「スティリーノ」低コストでヘルシー
乳製品 特集 2022.12.21マリンフードは07年に独自開発しその後進化を続けるチーズ代替素材「スティリーノ」で、チーズ価格高騰に対応。チーズに含まれる乳脂肪を植物油脂に置き換えることで低コスト化を実現し、コレステロールカットなど健康価値も付与。リーズナブルでヘルシーな次世代チー…続きを読む
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チーズ特集:宝幸 自社ブランド向上図る
乳製品 特集 2022.12.21宝幸の22年度上期ロルフ事業実績は、金額ベースで前年比4.7%増となったものの、数量ベースでは同5.0%減となった。家庭用はシュレッド戦略見直しなどで前年未達となったが、回復傾向にある業務用が同2桁増で推移。 下期は、業務用で10月から値上げを実施…続きを読む
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チーズ特集:ヨシダコーポレーション スパウトパウチを育成
乳製品 特集 2022.12.21ヨシダコーポレーションの今上期(22年4~9月)の売上げは前年をクリアした。売上げの3分の2を占める家庭用商品は原料高騰に伴う製品値上げの影響に加え、採算が合わない取引の見直しや中止によって減収となったが、業務用商品がその分を補っている。業務用は数年…続きを読む
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チーズ特集:伊藤ハム 「キリ&スティック」若年層にアピール
乳製品 特集 2022.12.21伊藤ハムが輸入販売するベル社チーズの22年1~9月累計実績は、前年のコロナによる「巣ごもり需要拡大」の反動に加え、値上げの影響もあり、金額で前年比3.8%減、重量で同6.8%減と前年実績を下回っている。売上構成比約80%を占める主力のキリシリーズ(ク…続きを読む
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チーズ特集:神明 ライスビーガンチーズ登場 海外販売も視野に
乳製品 特集 2022.12.21今秋、世界初のライスビーガンチーズが登場した。最大手コメ卸・神明が販売する「お米でとろ~りとろけるシュレッドタイプSDCheeze」=写真=だ。コメを主原料に、乳・乳製品だけでなく、アレルゲン物質は一切不使用の商品だ。 自家製粉した米粉に発酵の香り…続きを読む