冷凍食品特集
冷凍食品特集:家庭用=好機逃さず積極提案を
家庭用の19年度市場規模(末端売価ベース)は前年比7%程度拡大し、18年度の約2%増から大きく成長したもようだ。新型コロナによる需要急増が2ポイント程度、市場を押し上げたとみられる。昨年の消費増税の影響もほぼみられず、その後の自然災害では非常食としての需要増も追い風となり、コロナ以前の段階でも前年を上回る順調な拡大ペースを維持していた。
感染拡大による外出自粛などで、2月下旬~3月にかけての需要は劇的に増大した。米飯・麺類や唐揚げ・ギョウザなど定番品の受注量は2~3倍に跳ね上がり、各メーカーが対応に追われた。欠品も続出する異常事態となり、各社が定番に生産を集約し、他の一部商品を休売・終売とした。今期4月以降もこうした状態が続き、市場の過熱が沈静化したのは5月連休が明けた中旬あたりだ。
3~5月期の市場は同21%増とみられ、弁当品を除く全カテゴリーが同20%超の販売増となった。この間、売場では特売を取り止めて通常のEDLP販売に注力。若年層男女を中心に新規ユーザーが流入し、同時に冷食購買から遠ざかっていた元ユーザーの回帰も確認されている。家庭での食事機会が増えたことで、昼食に米飯・麺類を利用し、夕食には冷凍野菜や食卓惣菜を使う食シーンが拡大した。
6月以降、市場沈静化につれて売場の価格に割高感が高まり、回転率が鈍化。売上げは前年を下回るメーカーも目立つ。感染防止のため営業環境もコロナ以前への復帰が難しく、販促提案が出遅れてしまった。7月には単品レベルでは特売が再開しているが、売場全体では再活性化にいたっていない。今秋新商品のアイテム数も開発時間の短縮から各社で減少し、店頭販促が全面的に復活する8月以降の売場づくりには不安が残る。
最需要期となった4~5月分の“貯金”があるとはいえ、流入した新規ユーザーをつなぎ止める打ち手を欠けば、市場拡大の定着への好機を逃してしまう。強い単品の販売強化も重要だが、期中でも積極的な商品提案を行い、売場の鮮度を高める必要があろう。
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