缶詰・瓶詰・レトルト食品特集
◆缶詰・瓶詰・レトルト食品特集:成長余地の拡大視野に
缶詰・瓶詰・レトルト食品市場の20年は、新型コロナウイルスの影響によりかつてない需要の急変に見舞われている。需要急増がピークとなった3~4月の混乱期は受注と生産・輸入業務に追われ、製配販ともに多忙を極めた。規模の面からはレトルトカレーの急伸が際立つ。2ヵ月間の累計売上げは前年比で実に4割増を超えた。缶・瓶詰でもカテゴリーによっては3割増が散見される。ピーク後は一部で反動減も生じたが、全体として消費の底上げが続いている。
今回も非常食・備蓄用として重要な役割を担った一方、影響の長期化を受けて成長余地の拡大可能性が視野に入ってきた。家庭での食事機会の増大・定着が進む中、家飲みのつまみ需要増、料理素材としての利用増、簡便調理のニーズ拡大などがコロナ以前に比べ加速している。景況悪化により、今後のデフレ進行を予測する声もあるが、業界の長い経験がそうした状況に生かされるだろう。(本宮康博)