高機能性米特集

◆高機能性米特集:コロナ禍で家庭炊飯増加と健康志向に商機

農産加工 2020.07.29 12088号 06面
玄米の人気高まる。食べやすく炊飯しやすい加工玄米が主流

玄米の人気高まる。食べやすく炊飯しやすい加工玄米が主流

 玄米や雑穀、精麦など、健康を基軸にしたコメ関連商品の市場は、拡大を続けている。ただ19年度は、けん引役のもち麦が、TV番組で盛んに取り上げられ大幅伸長した一昨年の反動で、前年割れを余儀なくされた。だが直近では、コロナウイルス感染拡大の外出自粛による家庭炊飯回帰や、健康志向の高まりを追い風に、家庭用が拡大に転じている。(佐藤路登世)

 ●もち麦、発芽玄米など堅調

 POSデータによる19年コメ関連商品市場(はくばく推計)は、前年比7.4%減の1284億2000万円となった。16年から続くもち麦のメディア露出が一段落したことが要因で、このうち46%のシェアを占める精麦類が同17.1%減少。同12%・8%も伸長した前年の反動だが、一定の顧客を獲得し、最大手はくばくの売れ筋「もち麦」のヘビーユーザー向け800g入りは善戦したという。

 25%のシェアを占めるミックス雑穀は、同0.4%増の微増。続く発芽玄米も同1%減と微減にとどめ、この二つのカテゴリーは、固定ファンに支えられていることがうかがえる。一方、市場規模は11億8000万円と小さいものの、加工玄米が同23.4%の伸び。けん引役は東洋ライスの「金芽ロウカット玄米」で、同20%も伸長した。

 今年に入って、コロナ禍での免疫力向上や肥満解消など、健康意識が高まる追い風が吹いている。

 高機能玄米協会が、会員企業を対象に実施したアンケート調査では、金のいぶき玄米のスーパー向け販売が、2月前年比35%、3月同41%、4月同25%、5月同23%も拡大。ネット販売では2月が同705%、3月同408%、4月同1761%、5月同2030%と、拡大傾向で推移している。

 コメ関連商品では、はくばくの「もち麦」は3~4月、前年並みをキープし、昨年の反動減を回避した。ミックス雑穀では主力の「十六穀ごはん」徳用タイプは、4月同17%、5月同10%も伸長し、ヘビーユーザーを中心に好調に推移した。

 今後に関しては、ウィズコロナ生活様式の長期化が予想され、内食回帰により家庭炊飯の増加が続く上、健康志向がさらに高まることは間違いない。こうした追い風に対する新たな戦略が求められている。

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