東海・北陸・静岡流通特集

小売 2020.09.24
東海・北陸・静岡流通特集

 小売流通界は、コロナ禍において業態別に明暗が分かれたが、スーパー業態、ドラッグストア業界がプラスに働いた。
 中部経済産業局の管内(愛知、岐阜、三重、石川、富山の5県)商業動態統計のスーパーの直近までの売上数値(前年同月比)は2月からプラスに転じ、2月5.9%増、3月1.9%増、4月2.4%増、5月6.4%増、6月4.8%増、7月4.5%増と伸長傾向にある。ドラッグストアもそれ以上に大きな伸びを示した。
 食品スーパー業界では、昨年10月から始まったキャッシュレス還元事業が今年6月までだったことで、7月以降の落ち込みを懸念していたが、内食需要の高まりが吹き飛ばした形だ。
 一方、コンビニエンスストア(CVS)や百貨店は厳しい数値となった。百貨店は7月まで10ヵ月連続で前年を下回るなど、特にコロナ禍による営業自粛は大きく響いた。CVSは3月から減少が続き、特に4~5月は2桁減。在宅勤務が増えたことで、通常なら職場での昼食にコンビニ弁当を購入していた層が、自宅ではスーパーの冷凍食品などに流れた結果ともいわれており、特に都市部で厳しかった。
 ただ、食品界全体で見れば、外食などの需要が基本的には内食に移っただけのことなので、小売の好調さももろ手を挙げて喜べるわけではないが、小売業界にとっては、今まで支えてきた日頃の食生活の取組みに信頼があったからこその結果なのだろう。
 いずれにしても、今後はウィズコロナを含めたコロナ後の新生活様式を見据えた取組みに各社目を向けており、各社さまざまな取組みを始めている。