缶詰・瓶詰・レトルト食品特集

びん・缶詰 2022.09.14

 新型コロナウイルス感染拡大から3年目の夏を越え、ウクライナ危機による国際食糧事情の激変を経て、缶詰・瓶詰・レトルト食品市場では各メーカーの厳しい挑戦が続いている。他の多くの食品と同様、今春から10月にかけて各社の断続的な値上げが続く。輸入原材料だけでなく国産でも価格上昇が続き、包材・資材や運賃、エネルギーコストも高騰。9月に入り1ドル140円を超え、円安加速で業界はさらなる窮地に陥っている。そんな中、需要面は今期4~7月、カテゴリー間でバラつきがみられる。プラス面では小麦製品の値上げでコメ食関連商材への需要が高まっているとみられ、さらに新型コロナ感染者への支援物資として、特需も発生している。ただ売場では今後も価格帯の上昇が見込まれ、消費の冷え込みに危機感は強い。だが時短・簡便・保存性という基本価値が定着した缶詰・瓶詰・レトルト食品のニーズが低下するとは考えにくい。
 値上げとともに付加価値の向上が求められる中、若年層にも響く“健康性”こそ最強の助っ人となりそうだ。(本宮康博)