近畿中四国小売流通特集

小売 2022.09.27
近畿中四国小売流通特集

 いまだコロナ禍ではあるが、3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、行動制限の緩和によって外出の機会が増加し、低迷していた外食が回復傾向にある。ここ2年、コロナ感染症拡大に伴う外出自粛、飲食店の営業短縮・自粛、テレワークの増加などの影響で、内食(巣ごもり)需要が高まり、スーパーマーケット各社は総じて堅調に推移していたが、外食からのシフトによる上乗せがあったにすぎない。
 少子高齢化や人口減による市場の縮小は続き、外食が持ち直してきたことで、前年にコロナ特需があった小売業は苦戦を強いられている。加えて、原材料や原油の高騰、電気代をはじめとするエネルギーコストの上昇、さらに急激な円安などによって、メーカー各社はコスト上昇分を自助努力だけでは吸収しきれなくなっていることから、食品の値上げラッシュが続き、ここにきて生活者に買い控えの傾向が出ている。値上げによって1点単価が上がっても、買上点数が減少し、結果として客単価が前年を下回るなど、小売業界を取り巻く環境は厳しさを増している。(廣瀬嘉一)