マーガリン類特集

◆マーガリン類特集:技術力武器に食生活を支援 19年は家庭・業務用とも生産増

乳肉・油脂 2020.06.26 12071号 05面

マーガリン・ファットスプレッドなどのマーガリン類は、おいしさや品質、安全性などに優れた製品が数多く商品化され、19年は8年ぶりに家庭用・業務用の両分野で生産増となった。新型コロナの影響が続く20年は、家庭用は回復基調へ向けたリピート獲得と優れた特性の着実提案が、業務用は特にリテール分野での活性策がそれぞれ鍵を握りそう。両分野で状況が大きく異なるが、屈指の技術力を武器に生活者の食生活を支援する。(村岡直樹)

●20年、明暗分けるか新型コロナの影響

19年のマーガリン生産量(日本マーガリン工業会調べ)は22万1639tと前年を1.5%上回った。家庭用の前年超えは11年以来8年ぶりで、回復基調への兆しが見え始めた。製菓・製パン素材として使用される業務用は食品ロス対応や状態化する自然災害・震災などの影響を受けるも、食感維持や劣化防止などの機能性製品が好調に動いた。

マーガリン類に代表される加工油脂は、家庭用と業務用で特性や提案手段、さらには販売環境も大きく異なるが、ともに世界屈指といわれる優れた技術力を誇る。ここ数年を見ても、家庭用・業務用ともに最先端の独自技術を活用した高品質品が数多く登場している。

家庭用では、フレーバー戦略や斬新な商品開発による付加価値戦略が進行し、新ジャンル創出など注目すべき成果が見られる。業務用では、「CVSスイーツの定着」と「インバウンドによる土産菓子への需要増」という2大トレンドを背景に、細分化するニーズに対応する技術立脚型製品が数多く登場している。

新型コロナの影響は、両分野で明暗を分けた。家庭用では回復基調を加速する追い風としておおむね分析できるが、料理用途など伸びしろも十分。内食需要拡大の中で今後、いかにリピートをつかみ、売場拡大を果たせるかが焦点となる。都市部リテールが崩壊した業務用は、今夏秋以降の中長期的な活性化策が必須。最終市場の名脇役としてかつてないターニングポイント迎えており、まずは東京2020大会までの取組みに注目したい。

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