マーガリン類特集

マーガリン類特集:業務用=19年生産量1.1%増 自粛明け後活性化策に注目

乳肉・油脂 2020.06.26 12071号 05面

業務用分野でのマーガリン類(ファットスプレッド含む)は、パンや菓子など“最終市場”の必須素材として地位を確立し、生地への練り込みや折り込みはもちろん、食感向上や経時劣化軽減など最終商品の価値を高める重要な役割を担う。また、フレーバー技術によりバターの風味を高レベルで再現するなどバター不足の局面でも重要な役割を果たす。

国内生産量(日本マーガリン工業会調べ)は19年、前年比1.1%増と前年を超えた。15~17年まで3年連続で増産傾向を続けてきた中、18年は前年を割ったが、回復を果たした。特に製パン分野で食品ロスへの対応が進むなどの影響を受けたが、冷夏による最終市場の需要増やCVSスイーツの定着などが後押しした。中でも食感維持や劣化防止など、機能性製品はおおむね好調に推移。主要各社では製造現場の課題解決製品として注力分野に位置付け、採用が拡大した。

一方で20年は新型コロナの影響で3月以降、特にベーカリーやパティスリーなどのリテール部門や、土産菓子、外食分野で逆風が吹いた。郊外型個店は好調なエリアもあったものの、都市部では大半の商業施設(駅ナカ・百貨店など)が一斉に休業。移動制限やインバウンドの大激減に伴い土産菓子は深刻な打撃を受け、外食分野も前年から大きく下回っている。袋パンや流通菓子の需要増で、生産量では3月で同5.7%減、4月で微減にとどまっているが、生産調整や商談機会の大幅減、春向け新製品の上市遅れや発表延期など多くの打撃を受けている。

この状況下、メーカーサイドでは自粛明けに向けた活性策を着々と進めている。出遅れを強いられた新製品の本格提案はもちろん、新型コロナにより変化した消費者心理やニーズの細分化に対応する活性化策を積極化する。6月現在、客足は回復からまだ遠く、東京2020大会開催への不透明感や感染再拡大への不安感も漂うが、“ウィズコロナを視野に入れたニューノーマル”への対応を進めている。

国内業務用マーガリン類の技術力・競争力は、名実ともに世界最高峰にあり、名脇役として国内のパンや菓子の品質を支えている。新型コロナの影響に加え、最終市場では人手不足やコスト対策、ラインアップの拡充や単価アップなど課題が引き続き山積している。製菓・製パン分野はJAPANプレミアムの一角を担う分野であり、これを支える業務用マーガリン類は国力再興の側面でも、重要な局面を迎えている。

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